不要不急考

3.11で原発事故が起こったとき、ある期間「計画停電」が実施されました。その際、茨城県は例外となりました。当時の県知事が、
「茨城県は被災地で大変なことになっているのに、電気を止めるなど何事か!」と猛烈に抗議したからです。
今回のコロナで安倍総理が専門家に相談せずに唐突に打ち出した「全国一律一斉休校」は、このときの計画停電に似ていると思いました。案の定、一部の自治体は「うちは状況が違う」と従わないところもでてきました。
その後、「不要不急の外出を控える」という、非常に曖昧な表現が頻繁に使われています。この表現だと、外出を控える判断が個人に任されていますので、画一的な指示をするよりよいように見えます。しかし、それにより客が減った飲食店やパフォーマーの方達への責任も、発令した者ではなく、行かないと判断した個人となります。結果、飲食店やパフォーマーが廃業に追い込まれても、誰も救済する義務は負わないことになりそうです。
昨日見ていたニュースで、オーケストラ奏者が呟いていた言葉が忘れられません。「結局、僕がやってきたことは、『不要不急』なんですね。」
最高の音楽を紡ぐために彼が費やしてきた数十年の人生を、こんな言葉でくくってしまうことにつながる言葉の使い方に、私達は平気でいていいのかと思いました。それは音楽に限らず、おいしいものを食べたときのお客さんの笑顔のためにと頑張って来た飲食店の方々も同様です。
「不要不急の外出を控える」ではなく、例の「3つの密」を避けるという言い方にして、飲食店なりパフォーマンスもそれを避ける形での営業にしてください、という言い方にできなかったのでしょうか?

(追伸)

長野県では「一人ひとりに合わせた情報をお知らせする」ためにLINEのサイトを立ち上げました。さすが。

LINE公式アカウント「長野県-新型コロナ対策パーソナルサポート」の登録について/長野県