名人と意気投合

今日は霞ヶ浦の手長釣り名人に、スポットを案内いただきました。思っていた通り、テナガエビがいるのはアサザやヨシが植栽されたところではなく、テトラポット護岸でした。

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私はかねてからヨシやアサザは水質を悪化すると主張し実験データを論文にもしていますが、名人も「ヨシなんかがあるとエビは来ない。ドロドロになるから。」と言ってました。

長年釣りを通じて各地の水域を見てきた80歳を越えている名人は、ヨシやテトラ以外も、私が日頃主張していること(=著名な日本の生態学者達が真逆を主張し)と全て一致していて、9時から14時過ぎまでの5時間、話は尽きませんでした。

環境を守るための研究が現場の現状から解離していて、正しい判断に資するはずがありません。現場情報として漁業者の意見を重視する方もいますが、漁業者の関心の対象は水産対象種に限られます。見ている種の多様性という点では、釣り人からは、より広い現場情報を得られます。

幸いなことに、雑誌「つり人」の2020年7月号から、魚が減ったら何を疑うかに関する解説を紹介させていただくことになりました。現場を見ている釣り人の方からのご意見・ご指摘が楽しみです。