灼熱の屋上で繁茂する日本の水草たち

今日は2ヶ月ぶりに大学に行って、屋上の水草の様子を確認しました。
バケツに放置してあるアサザは元気いっぱい!緑藻に覆われても、その上に葉を広げています。霞ヶ浦ではアオコが一面に発生しても、まさにこんな感じで繁茂していました。霞ヶ浦にはもともとアサザはほとんどいませんでしたが、水質が悪化してアオコがひどくなった1980年代に、アオコと共に広がりました。

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バットにため池の土を入れたシードバンクでは、シャジクモが0.5平方メートルくらい繁茂していました。今日の暑さで水温は35℃以上はあろうかという温泉状態になってましたが、雨水だけで涵養している屋上水槽では、温暖化(?)の影響は全く無いようです。以前にも書いたように、絶滅危惧種のガシャモクまで、この水槽から生えて来ました。

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ここ10年近く、全く水位管理もせず、干からびたり溢れたりを繰り返しても生き残る水草たち。そもそも日本の湿地は洪水が来たり、川が流路を変えて三日月湖化した後に干上がったりと、変動する水環境に適応して生き残ってきた植物です。それがなぜ近年に減ったのか。私があえて水草を放置しているのは、この状況こそ、除草剤が入らない環境では水草が如何に強い植物か、証明できると思っているからです。あと5年、定年までこのまま様子を見る予定です。