ホームフィールド

昨年度から、ネオニコチノイドが水圏に与える研究のフィールドを宍道湖から霞ヶ浦に移し、研究助成も霞ヶ浦を対象にして申請しました。幸い採択されたところへ、今回のコロナ。対象を変えていて本当に良かったと思いました。
霞ヶ浦は自宅から車で最短で15分、職場の柏キャンパスまでは1時間なので、その4分の1で行けてしまいます。今朝は雨でしたが風が弱かったので、実験に使うテナガエビの採取に出かけました。
テナガエビ釣り名人から教えていただいたスポットまでは、車で20分。テナガエビは夜行性なので、日中は今日のように雨か曇りの方が釣れるそうです。案の定、このスポットだけでなく、湖岸のテナガエビがいそうなところには必ず釣り人がいました。ビーチパラソルのような大きな傘を広げた本格派も少なからずいました。霞ヶ浦はテナガエビがよく釣れると、釣り人の間では知られているそうです。
私の目的は釣りではなく実験用個体の採取なので、釣り針で傷をつけるわけには行きません。アメリカザリガニのようにスルメに食いついてくれないかしばらく待ってましたが、ダメでした。このスポットは護岸際の水深が1mもあって、底までは全く見えません。これでは夕方に網で採るのも難しそうと思い、湖岸沿いにドライブして網でも採れそうなスポットを探したところ、下記は護岸際が10cmほどで、砂の上を歩いているテナガエビが見えました。これなら夕方に灯りを持っていておびき寄せて採れそうです。自宅から車で30分の距離でした。近くで釣っていた人もそこそこ釣れていました。

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8時半に出かけて、これだけの観察をして、3時間で自宅に戻れました。旅費も宿泊費も不要、調査・採集道具は車に積んでおける気楽さは格別です。宍道湖だと何日も前からホテルやフライト、父・犬の世話の手配、現地協力者との調整などいろいろ大変でした。霞ヶ浦は自宅と同じ茨城県にあるので、大学近くの手賀沼(千葉県)と違い、コロナの第二波が来ても自粛要請に引っかかることもありません。もう今後、ホームフィールドを変えることは無いだろうと思います。