昨夜は手網とスルメをつけた竿を持って、霞ヶ浦に行きました。
この時期の宍道湖なら、夜にテトラポットでたむろしているテナガエビを狙う人達が、懐中電灯と手網を持って湖岸に来ています。ところが霞ヶ浦では3箇所を3時間かけて回りましたがエビ採りは誰もいませんし(魚釣りはいました)、テナガエビも1尾しか採れませんでした。スルメでの釣りは全然ダメ。懐中電灯で照らしてピカッと目が光った瞬間に手網で採りました。貧乏学生だった頃、調査が終わって宍道湖のテトラでテナガエビを採っておかずにしていた頃のスキルがまだ健在でした。
前回、釣り上げたテナガエビは何も食べずに亡くなりましたが、この子は小さく切ったスルメも肉食魚用の餌も食べてくれてました。前回のはやはり、釣り上げられたときに口にケガを負っていたのだと思います。
それにしても霞ヶ浦では誰も手網で採りに来ず、午前に釣りでしか採らないのは何故かと思って師匠に尋ねたら、霞ヶ浦のテナガエビはふだんは深場にいて、産卵の時だけしか上がってこないのだそうです。なので漁も底引き網を使うとのこと。実際、下記のサイトでも漁法は底引き網、小型定置網と書かれていました。
宍道湖では柴漬けか鰻せんがエビ用の主な漁具だそうで、どうやら霞ヶ浦の淡水大卵型テナガエビと、宍道湖の汽水小卵型テナガエビは、生態まで全く違っているようです。
宍道湖ではネオニコチノイド使用開始後にテナガエビを中心としたエビの漁獲が激減し、かたや、かつては汽水、今は淡水の霞ヶ浦では日本一テナガエビが採れています。その原因としてネオニコチノイドによって浸透圧調節などに影響がでているとの仮説を立てていました。ここまで生態が違うと、同じ種としていいのかどうかから考え直さないといけないかもしれません。
現場でいろいろ経験しないと見えてこない(もちろん論文にもなっていない)ことって、相変わらずまだまだありそうです。。。