もしかしたら東大記録?

私は1960年生まれで、来年度を含むあと5年で定年になります。
思いがけず東大で教授を務めることになったときに、もしや私は東大教授記録を2つ作ったのではと思いました。定年までに確認したいのですが、今日まで確認方法を見いだしていません。
ひとつは、共通一次試験(今のセンター試験)の点数の最低記録(おそらく歴代合格者の中でも最低)。私が受験したのは、共通一次試験が初めて行われた年でした。前代未聞の制度に難関と言われた大学を敬遠した受験生が多く、結果、東大は足きりなしで、志望者全員が二次試験に進めました。
当時の私は6月に米国留学から帰国して高校2年に編入、アメリカの高校を卒業していたので、その卒業資格で東大を受けました。帰国後は部活や自治会活動で忙しくて受験勉強なんてする暇はなく、模試代わりと割り切ってました。結果は予想通りボロボロで、自己採点では半分以下でした。センター試験を半分もとれなければ東大の二次試験に進むことは絶対に無理ですから、ほぼ間違いなく記録だと思っています(ライバルがいるとしたら、同じ年に共通一次を受けた教授)。
記録だとしたら、センター試験を解く能力と研究能力は全く別物という、よい例だと思います(あの息子が本当に無理して1年以上受験勉強しているのを見て、受験勉強ゼロで今に至る私は、すごく気の毒に思っていました)。
もうひとつは、女性教授が教養(学部1,2年)のクラスから2名出た初の例ではないかと。私は文科3類ロシア語クラスでした。ご想像通り人数がとても少ないクラスで、女性は私を含め2名だけ。その2名ともが現在、女性教授が非常に少ない東大で教授をやっているのも、おそらく開学以来だと思います。逆に男性教授は、教養で同じクラスだった2名以上がなってる例は多いと思います。東大がどれほど男女共同参画からかけ離れているかの一例になると思います。
ちなみにもうひとりは私のように文系から脱落して理転することなく、まっとうに文系の教授をされています。
(追伸)
以前にも書いたように、大学院試は卒論研究で忙しくて全く準備せず、地形学の教科書の最初の図から出された問題さえ解けなかった私を合格させるために、その年は受験生全員合格しました。地質調査所就職も女性で初めて学位取得を条件に採用されたので、公務員試験は受けていません。
唯一受験勉強したのが、「府立高校は内申書がひどいから無理」と言われて国立大学附属高校を受験した中3の1年間と、その高校が部活以外は全然合わず、アメリカでやりたいことをしたいと留学試験の勉強をした2年間だけ。
大変ラッキーなのですけど、留学したアメリカの高校では小学6年生の女の子が高校の微積分のクラスに来ていて、私の隣に座っていました。来年は数学を専攻するため大学に進学するらしいと言われていて、こういう国に生まれていたら、私も中学・高校すっ飛ばして大学で好きなこと勉強できたのにと悔しく思ったものでした。

その後も日本の教育は、才能をつぶす確率が高い方向に進んで今日に至っているように思います。教育制度の改変に関わる多くの方が、他の先進国の教育がどうなっているが、経験知がゼロに近いからでしょうね。