高齢者のふだん使い貯金をどうやって守るか?

ゆうちょ銀行から知らぬまに預金が引き出されていた問題、しばらく経ったので何らかの対策が提案されているかと思い、「ゆうちょ 不正引き出し 対策」でググってみました。1番目にヒットした記事は有料記事、2番目は「ゆうちょ」による補償の案内、3番目にでていた下記記事がようやく対策を書いていました。それ以降の記事は全く対策が書かれていませんでした。

不要な口座は整理する、引き出されたら通知が来る銀行を選ぶ、当面使わないお金は国債にするの3つを勧めていました。
これって、高齢者が日常の生活費と、いざというときの手術・入院費に年金の半分程度(100万円くらい)は通常貯金でキープしたい、というニーズには合ってないと思います。自宅に置いておくなんてもってのほかということは、ガスの検診をかたった強盗の多発からも明かです。
ゆうちょになぜ多くのユーザーがいるかのひとつの理由は、ATMが比較的どこにもあるからです。しかし上記記事で勧めていた銀行はATMが少ないか独自のを持っておらず、他行のATMから引き出す際に手数料がかかります。また振り込みの際にも手数料が発生します(もちろん、郵貯でも発生しますが)。
そこで私は、管理している父親の郵貯口座の残金は最低限にして、父親が口座を持っている証券会社のMRFに移しました。父の場合は野村證券ですが、MRFの利率は0.001%で、郵貯の通常貯金と変わりません。銀行ではないので、不正に引き出されることはまずありません。その上、野村證券のMRFはセブン銀行のATMで無料で入出金できるので(ただし平日8:00~21:00、土日祝日9:00~18:00)、ある程度の市街地なら郵貯より使えるATMが多かったりします。
さらに野村證券の場合、同じ名義人の野村信託銀行にオンラインで即座に出金でき、月10回まで野村信託銀行から無料で振り込みができます。実は父の入所費などは、郵貯からその度に引きだして野村MRFにいれ、そこから信託に移して送金ということをやっていました(振り込み手数料がタダなので)。今回の事件で、「何だ、ふだんから、野村にいれておけばよかったんだ。」と気づいた次第です。
高齢のご両親がまだネットを使える状態であれば、こういった証券会社のMRFで貯蓄してもらうのがひとつの手だと思います。「ウチの両親はとてもそんなことはできない。」という状況でしたら、代理人として両親に代わって管理することもできますので、証券会社とご相談されてはどうでしょう?