介護に関わる機会がないと、施設による特徴の違いは分かりにくいと思います。
要介護度が低いときは、介護老人保健施設にお世話になる機会が多いです。ここは病院と一般家庭の橋渡しをする場所で、リハビリに力を入れているのが特徴です。父親の場合、普段はデイサービス利用で自宅介護ですが、自宅にいると私が何を話しかけても「知らん。」の一言で済ませたり、犬の散歩くらいしか運動しなくなるので、半年に1ヶ月程度、厳寒期と猛暑期に、言語と歩行のリハビリを兼ねて入所してもらっていました。
そこへコロナが蔓延、空きが出たのを幸いに、昨年3月中旬から老健に入所させてもらっています。老健では家族の面会も2ヶ月に1度、間仕切りした部屋で10分以内と徹底的な感染予防をしてくださっています。父は高齢な上に基礎疾患があるので、家族としては安心です。
ところが、同じ環境に長くいたのが悪かったのか、今月に入ってから父の言動に認知症の進行が認められるようになったそうです。同じ環境でも屋外で散歩して季節感を味わえるなどがあればよいのですけど、こういう状況ですから、ずっと同じ建物の同じフロアで同じ面子と過ごしているわけです。これでは健康な人でも滅入りやすくなりそうです。
高齢化が進んでいるコロナ禍日本では、健康な老人も長期間、ほとんど外出しないようにしています。それにより心身ともに変調を来し、コロナ終息後に認知症患者の増加が表面化するのではないかと思いました。
一気に要介護者が増えると、今、コロナで自宅療養が増えているように、ご家族で何とかしてくださいと要請される可能性も増えそうです。高齢の親がおられる方(特に別居されている方)は、コロナ後は親が要介護状態になるかもしれないと思って、情報収集しておくとよいかもです。