保全生態学者に破壊された霞ヶ浦湖岸生態系

月曜にまとまった雨が降ったので、昨日火曜日、霞ヶ浦に降雨後の採水に行ってきました。消波堤がないところは波あたりが強く、砂浜に植物はほとんど生えていません。大きな湖は風による波が高くなるので、海と同様、浅場に植物は生えにくいのが自然なのです。

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ところがアサザを保護すると生じて消波堤が造られて以降、霞ヶ浦はどこもかしこも消波堤だらけです。私がいつも採水をしているのも消波堤の内側で、多少風があっても波でさらわれることがないのはメリットですが、波が穏やかなところに広がる外来の浮葉植物が繁茂し、泥がたまって二枚貝が住めなくなるなど、自然破壊以外のなにものでもありません。

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霞ヶ浦では保全生態学者がアサザ保全に必要と主張するまで、船溜まり以外に消波堤は存在しませんでした。そして彼らは今でも、アサザ保全植栽は間違いだったと認めていません(下の本でも、自然再生の成功例として霞ヶ浦のアサザ植栽が紹介されています)。こういう方々のいうことを鵜呑みにするのは、かけがえのない地域の水域をドブに捨てる行為と思った方がいいでしょう。

 

自然再生ハンドブック

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  • 発売日: 2010/12/01
  • メディア: 単行本