自然環境を撹乱しない農業だけが人の健康も守る

昨年、西日本では水稲害虫トビイロウンカの被害が深刻でした。文献で比べる限り、西日本の河川の方が東日本よりネオニコチノイド濃度が高い傾向にあるのですが、その原因は水稲害虫の被害が東日本より深刻だからと考えています。

トビイロウンカは2005年に早くもネオニコチノイドに耐性がついてしまっているのですが、それを知らずに多くまいている可能性もあります。
こういった害虫の影響は温暖化が進むとさらに深刻・拡大すると思われます。今年はつくばの水田で、昨年よりも多くの殺虫剤が使われそうです。

トビイロウンカのように、化学農薬は頻繁に使うと、いつかは害虫に耐性がつきます。その時には殺虫剤によって、害虫を食べる昆虫も消えてしまっています。もういい加減、イタチごっこはやめて、抜本的な手法を考えるべきときだと思います。
ネオニコチノイドについては欧米では使用禁止の方向で動いていますが、一方で仰天する使い方もされています。サーモンの養殖場でネオニコチノイドがまかれているのです。EUだからと安心できるものではありません。

地元ならば、周辺の自然を観察することで、水域や農地で自然環境を撹乱するような物質がまかれていないか観察できます。食の安全面から地産地消を進める観点が必要だと思います。