牛久沼でハスが消えた原因はカメではない

牛久沼でハスが消えた原因はカメの食害か実験していましたが、どう考えてもカメではないとの結論になりました。
当初から牛久沼で育てていたハスは、食害されないようにネットをかけていたものも枯れました。そこで宍塚大池で立葉が出るまで育ったものと、まだ浮葉の芽生えしか出ていなかったものを牛久沼に移したところ、後者だけ枯れました。
そこで先週、立葉と浮葉が混在しているプランターのネットを外してみました。食害が原因だったら、少なくとも柔らかい浮葉は茎から囓られるはずです。
結果は下の写真の通り、1週間経っても全く囓られていません。

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さらには、この時期でも乾いている岸ギリギリにハスが自生していて、カメには全く食べられていません。もし食害でしたら、わずかに残るハスは片端から食べられてしまうはずです。

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以上から、牛久沼ではハスの初期成長に影響をあたえる物質が湖水に存在して枯れたのではないかと考えます。
2016年以降、各地で起こっているハスの一斉消滅は、食害や嫌気化が原因とされているものが多いのですが、ハスは嫌気化で枯れることはありません。少なくとも嫌気化が原因とされている琵琶湖については、牛久沼同様、湖水に混在する何らかの物質が原因ではないかと思われます。