勾配がゆるいヨーロッパ大陸平野部の洪水は、濁流が一気に堤防を決壊させるような日本の洪水と違って、水位がゆっくり上昇してやがて堤防を越え、街が長期間にわたって水浸しになるタイプでした。
ところが今回ドイツ・ベルギーで起こった洪水は、ニュースで見る限り家屋が倒壊していたり、移動させるまもなく車が流されていました。
いったいどこでこんな災害が起こったのか不思議に思って確認したところ、やはり斜面に近いところにある街で被害が大きかったようです。
現時点で最新のネットニュースにある写真でも、斜面崩壊して土石流が発生しているように見えます。日本では広島県などのように、古くから土砂災害が起こると言われてきた地域に新興住宅街をつくって土砂災害に遭い、それでも移転せず再度土砂災害に遭っています。一度住み着いたところから移動するのは難しいということでしょう。ましてやこれまでこういった災害を経験をしていなかった現地の住民は、避難する想像力さえ働かなかったと思われます。
ドイツより下流にあるベルギーは斜面崩壊ではなさそうなので、どういう様態で災害が発生したのか、ネット情報を注視していこうと思います。場合によっては来年の水圏環境学の講義内容をかなり修正して、学生達がヨーロッパ滞在中に豪雨に見舞われた際に、その場所でどのようなリスクがあるか判断できるようにしないとと思いました。