水害は起こると思って備える

今日もNHK総合では九州北部を中心とした大雨情報を流し続けています。既に床上まで浸水している地域が広がっている上に、明日いったんやんでも、また明後日、同じ地域で強い雨になるとの予報がでています。
浸水した地域では、どのような生活になるのでしょうか。

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上図は江戸川区水害ハザードマップの解説です。マンションの高層階など直接の浸水被害は免れたとしても、江戸川区全体が水害に襲われた場合は長期にわたって電気も水道もトイレも使えないとしています。

この江戸川区では、水害の危険が迫ったときにどうするよう呼びかけていると思いますか?答えは下記です。

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他県も含めて、安全な地域に移ってやり過ごすように勧めています。このハザードマップは日本語だけでなく、英語・中国後・韓国語版を下記からダウンロードできます。

江戸川区水害ハザードマップ(2019年5月発行) 江戸川区ホームページ

とはいえ、今回のように九州北部といった広域で浸水が予測される場合は、どうすればいいのでしょう。隣接する九州南部や中国地方も、決して安全ではありません。
昨日のブログで九州北部~中国地方は地勢的に不利な位置にあると解説しました。洪水や土砂災害に限っても不利な条件を抱えているこの地区では、これまで経験したことのない環境を生き抜かねばならないのですから、これまでにない対策で準備する必要があります。
まずはできるところから。地域によっては全域が土砂災害警戒区域になるでしょうから、県単位、もしくは九州北部単位などで、ほぼ安全な所に独立電源と十分な水(井戸とかでもよい)と食料を確保した避難所を確保しておく。また広域で水道や電気が使えなくなったときのために、被災者の仮住まいになるホテルを事前に指定し、それらのホテルが集中する地区から優先的に復旧するなど、避難時の負担をなるべく軽減する方策も検討しておくべきと思います。
これから就活を始める学生さんは、選択の余地がある間に、災害リスクが低いところで働ける・住めるという条件も考慮すべきでしょう。私は学生の頃から「東京でだけは絶対に働きたくない」と思っていて、東大に残りたいなんて気持ちは皆無でした。学位取得時にはつくばと広島で就職のオファーがあったのですが、迷わずつくばにしました。日本の中でもかなり安全な地域だったからです。出身学科の教員から大学に戻らないかと言われたときも、柏だったので「まぁいいか。」と思って戻りました。今でも本郷の講義に向かうときには、「どうか今日だけは地震がないように、川が決壊しないように」と祈りながらの通勤です。いざとなったら歩いて帰れるよう、ウォーキングシューズしか履きません。