殺虫剤ではなく生物で害虫を防除

10月28日発売の拙著「魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う」では、ネオニコチノイドに対して既に一部の害虫が耐性をつけてしまっていること、化学物質による殺虫剤ではやがて耐性がついてイタチごっこになることから、天敵などの生物を利用した防除にシフトすべきではないかと提案しました。
たとえば最近、トマト黄化葉巻病を媒介するるタバココナジラミを天敵であるタバコカスミカメという虫で防除する技術が、農研機構で開発されました。
下記リンクで、この新しい技術を紹介したシンポジウムでの講演要旨をダウンロードできます。どういった技術なのか内容がわかります。

またシンポジウムで出された質問に対する回答もダウンロードできます。
その昔、日本車は海外に輸出なんて時代ではありませんでした。排ガスによる大気汚染が深刻になり、日本の大都市の知事達が厳しい規制を求めた結果、日本の車は世界でも最も排ガスを出さない車となり、その結果、輸出量も増えました。その当時も自動車業界は、規制に反対していました。
イノベーションとはそういうものだと思います。業界ベースで起こるものではなく、現状の技術の問題点を感じる方からの圧力によって、全く新しい技術が出てくるのではないでしょうか。
化学物質により害虫を減らすという技術は、今、その転換点にあると思います。