妄想もアリだけど。。。

NHK総合で水曜23時に放映されている「ヒューマニエンスQ」。番組説明に「人間という不思議な存在を、じっくり深く妄想する『探求の旅』シリーズ。」とあるように、それはないだろうと感じる解説もあります。

例えば今週放映された「“思春期” リスクテイクの人類戦略」
思春期の感情的なリスクテイク行動が「好奇心」につながり、世界への生息域の拡大につながったと紹介されていました。現実例として紹介されたのが、アフリカのある部族。思春期の男性だけが集団になって、成人が行かない新たな狩場を探すそうです。手ぶらで帰ることがほとんどですが、うまく獲物を見つけたら新しい狩場が確保できたことになります。
その次に紹介されたのが、台湾の山から与那国島が見えることから、「あそこに行ってみたい!」と思春期の人間が船で渡ったのではないかとの仮説。当時の船を再現して成人男性がこぎ続け、実際に渡った実験を紹介していました。
どちらも思春期の男性の行動で説明していますが、思春期の人類だけが拡散するのだとしたら、女性はどうしていたのでしょうか。人類が拡散するには、女性も一緒についていく必要があります。当時は生殖可能になって比較的すぐに出産していたでしょうから、何が起こるかわからない船旅に思春期の女性が同乗する可能性は少ないと思います。

つまり人類が拡散するには、偵察行動程度なら思春期の男性が一部を担っていたとしても、移住となると成人も含む部族単位になると思うのです(そうでないと身重も含む女性を連れて行くのは難しいので)。
科学の説は新しい事実(発見、データなど)でくつがえるものなので、どんな妄想も仮説としてはアリですが、視聴者が「最新の説だから正しい」と誤解しないか心配です(「チコちゃんに叱られる!」よりは「妄想」と何度も出てくるので良心的ですが)。