放射性物質を含む福島原発処理水対策は海洋放出しかないのか?

原子力規制員会は「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の実施計画変更認可申請(ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等)に係る審査書案」を承認し、現在、意見公募(パブリックコメント)を行っています。

海洋放出に反対する意見として、原子炉等規制法第62条には「核原料物質若しくは核燃料物質又はこれらによって汚染された物は、海洋投棄をしてはならない。」と規定されているのに第62条に関する審査が行われていないなど、私が読む限りきわめて合理的な内容が掲載されていました。

ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等に係る審査書案へのパブリックコメント文例集 | 原子力市民委員会

東電やその関係者は、地質調査所の委員が津波の危険性を再三指摘してきたのに無視し続けました。結果、地質調査所が過去の震災(貞観地震)から推定したレベルの津波が起こり、原発事故となりました。これは人災なのです。そして東電や政府が被災者に対して誠実に対応してきたと思っている人は少ないでしょう。そんな東電や関係者がいくら「安全」と言っても、誰が信用するのでしょう?特に海外の福島産水産物に対する目は厳しくなると思われます。

海洋放出に反対する人達は、やみくもに反対しているわけではありません。たとえば「米国サバンナリバー核施設で実際に行われているようにモルタル固化による永久処分が考えられる。このモルタル固化案は2016年6月の『トリチウム水タスクフォース』報告書においても地下埋設案として候補に挙がっていた。汎用土木技術で施工が容易で海洋汚染を完全に遮断できるモルタル固化案を再度検討すべきである。」との意見がありました。下記で詳しく解説されています。

6月2日記事で紹介したように(=農薬の水道水混入に関する厚労省のパブコメ回答)、政府や東電がパブリックコメントに誠実に対応するとは全く思えませんが、数が多くなれば関心の高さを示すことができますし、主な意見に対する回答から関係者がどういう態度で臨んでいるかが分かります。パブリックコメントを投稿するには、下記リンクをクリックします。

画面中段にある「意見募集要領」をクリックすると募集要領がダウンロードされます。このステップを踏まないと意見入力へと進めません
次に、下の方の画面にある「意見募集要領(提出先を含む)を確認しました」の先頭にある□をクリックするとレ点が入ります。その状態で一番下にある「意見入力へ」をクリックすると、意見入力画面が出てきます。