霞ヶ浦では淡水化後に周辺から侵入したり植栽されたアサザが繁茂していたのですが、数年前に絶滅したとされています。
今日の調査で、たぶんアサザだろうと思う水草を見つけました。葉の裏を確認しなかったのでトチカガミかもしれませんが、ここは数年前までは一面アサザだったところなので、8割方アサザだろうと思います。
ネットで「霞ヶ浦 アサザ」でググルと下記記事がヒットしますが、内容は全く事実と異なります。
少なくとも2018年時点では、霞ヶ浦でアサザは絶滅などしていませんでした。
また「行方市湖岸の群落は、めしべとおしべの長さが異なる花のタイプがあって、全国で唯一、種子をつくることができる2タイプの遺伝子がある貴重な群落だった。」も事実無根です(下記論文で証明しました)。恐らくこの記事は、取材したアサザ基金が言うことを真に受けて書いてしまったのだと思います。
ただし、数年前まではあれほど広がっていた霞ヶ浦のアサザが激減しているのは事実です。その原因は水位操作ではなく、恐らく除草剤だと思われます。今回見つけたところは水位操作の影響は受けますが、除草剤の影響は比較的受けにくいところだからです。
だとすると今度こそ全国規模で、アサザが本当に激減の危機に瀕しているかもしれません。
平野部湖沼の沈水植物が除草剤によって1950年代に姿を消して以降も、ハスやアサザといった浮葉植物は繁茂し続けてきました。そんなタフな水草さえ激減させている除草剤の正体は、何なのでしょう?