香害で苦しんでいる患者さんの多くが、自身は柔軟剤など人工香料を使っていません。香害がアレルギーの一種だとしたら、症状が出る前にある程度アレルゲンに曝露していたはずです。何から曝露していたのでしょう?
これは解くのがかなり難しいパズルですが意外とコロンブスの卵かもと思っていて、10月に来日したミャンマーの留学生さんが修論でこの課題に挑戦することになりました。
彼女は森林関係の学部を卒業していて、機器分析をやった経験がありません。それで「パックテストをミャンマーの同僚に送って飲用水のヒ素濃度を測るか、香害がなぜ起こるかをGC/MSで○○を分析して仮説を提示するか」の2択を出したら、後者を選びました。
そうなると分析値を疑わずに済むように、下記2冊を読ませ(スミマセン、はてなブログでAmazonにリンクさせようとしたのですが、日本で売れている洋書以外は出ませんでした)、毎週理解度をチェックし、今日は修論のイントロからメソッドまでの案を提出させました。
Analytical Chemistry: Principles and Practice
Gas Chromatography-Mass Spectrometry: How Do I Ge the Best Results?
これらの本は「○○に英語でよい教科書をと思ったのだけど、ざっと探したが見当たらない。」とチューターをしてくれている日本人学生さんに相談したら、見つけてくれたものです。教育より研究優先の私ですが、教員としてダメな分は技術補助職員さんと学生さんがフォローしてくれるので、何とかやってます。
今日出して来た文章、10月からの3ヶ月でかなりの成長ぶりでしたが私レベルではイマイチだったので、誉めずにダメ出しで返信しました。
これまでの学生さんの多くが1年経つと異次元に変身するのですが、わずか3ヶ月でプチ変身した彼女が来年秋にどこまで変身するのか、今から楽しみです(もしかしたら私の最後の学生さんかもしれず)。