御嵩町の住民グループが、リニア工事残土処分場建設に反対を表明したと報道されました。
反対理由のひとつとして「トンネル工事の残土に自然由来の重金属が含まれるおそれがあり、安全対策に不安があること」が挙げられています。
具体的には川に流出するかもしれない「亜鉛」です。
残土置き場から出ていく水が川に排水されるので、その排水については河川の水質基準項目は測って、基準値以上にならないようにすべきとJR東海に再三指摘したのですが、最終的にJR東海はこう回答しました。
私:自然由来の重金属等に何度も技術委員会の審議でご指摘している亜鉛が含まれるのかどうかについては、次回必ず回答するとおっしゃったと思いますので、教えて下さい。
事業者:亜鉛につきましては、調査対象とする自然由来の重金属等の中に含まれておりません。以前より、会社としての見解がどうなのかという御意見をいただいている中で、前回、前々回も亜鉛に関する御意見をいただいているところですが、こちらの御回答として、天竜川の準備工事と、中央アルプストンネルの尾越の環境保全についての助言に対する事業者の対応方針として、会社としての見解を記載してお返しさせていただいているところです。簡単に申しますと、今回の保全計画においても、水質として亜鉛を測ることは考えておりませんというお答えになります。
私:分かりました。それが会社としての方針ということですね。
事業者:その御理解で結構でございます。
以上の発言は令和3年度第1回技術委員会で行いました。議事録は下記からダウンロードできます。私の関連発言は11~13ページです。
水質基準なのですから測るのが当然ですが、特に亜鉛は渓流域では絶対に測らないとならない理由を、下記記事で解説しました。
JR東海は水が問題になっているのに、「土壌基準に亜鉛は無いから測らないでよい。」という詭弁を平気で主張しています。環境に対してこの企業の理解はその程度ということです。