島根県の現場の研究者が「宍道湖で平成6年(1994年)以降にワカサギが不漁なのは、夏季高水温のみの影響ではない。」と報告しているのに、島根県は「原因は高水温」とホームページで回答していることを紹介しました。
念のためウィキペディアで「ワカサギ」を検索したら、案の定でした。
「宍道湖では1994年を境に漁獲量が大きく減少した[11]が、夏期の高水温が原因と考えられている[1]。」
引用されている文献のうち、11番は1994年以降減少しているという事実を記載しているものなので良しとします。
問題は1番の文献です。下記からダウンロードできます。
https://doi.org/10.11233/aquaculturesci.62.1
読めば分かるように、1994年の漁獲量減少は高水温と書いてありますが、それ以降に漁獲量が少ない理由も高水温とは、どこにも書かれていません。
誰がなぜ、書かれていないことを書いてあるかのように装うという、やってはいけない書き込みをしたのか?
ちなみに上記ブログ記事にあるように、島根県は「ワカサギは水温が30℃以下の環境に生息する。」と書いていますが、霞ヶ浦では水温が湖心で30℃を超える夏にワカサギ漁が解禁されます。
つまり水温30℃以上の湖に漁獲できるだけのワカサギがいることになります。湖岸はもっと高くて、34℃越えの日もあります。このことからも、高水温だけでは宍道湖でのワカサギ減少原因は説明できないことがわかります(出典は陸水学雑誌83 : 197 - 205)。