水道水質の担当省が厚労省から環境省に代わって、農薬の目標値がどこで公開されているのか分からなくなりました。水道水のネオニコを研究していた修論生に目標値の出典を聞かれても回答できないまま修論提出締切日が過ぎ、最終提出までには出典を探さなければと、環境省に電話して教えてもらいました。
上記リンクの一番下に
「水道水質管理計画の策定に当たっての留意事項について(平成4年12月21日衛水第270号〔最終改正 令和5年3月24日薬生水発0324第1号〕)」
という項目があります。このうちの「本文」をクリックすると別表第5に要検討農薬類、第6にその他農薬類の目標値が記載されています。水溶性で、特に水田にまかれると水道水に混入する可能性が高いネオニコチノイド系殺虫剤7種のうち、アセタミプリドとイミダクロプリドが要検討農薬類、残り5種類がその他農薬類で目標値が示されています。
ところが、秋田市水道水から昨年8月、511ng/Lも検出されたスルホキサフロルは目標値が定められていませんでした。環境省の担当者によると、厚労省の頃からこの殺虫剤が検討された形跡はなかったそうです。スルホキサフロルは抵抗性によるグループ分けではネオニコと同じ4グループに属し、ネオニコ同様の神経毒で、水溶性も高いです。しかも水田に空散されるのに、なぜ2017年の農薬登録以降今まで、目標値さえ検討されてこなかったのか不思議です。
ちなみに水道水目標値は「水質汚濁に係る農薬登録基準(リンクは下記)」の値と近いので、水道水目標値も決められるとしたら0.1mg/Lくらいになるのかなと思います。