生成AIは「政治」がからむと和訳さえしない

アメリカの科学誌「Science」が下記タイトルの記事を公開していました。
NIH slashes overhead payments for research, sparking outrage and lawsuit
NIHが研究費の支払いを削減、怒りと訴訟の火種に

https://www.science.org/content/article/nih-slashes-overhead-payments-research-sparking-outrage

GoogleのGeminiとPerplexityに「次のScience誌の記述を和訳してください。」と書いて冒頭の3段落をペーストして送信したら、下記の回答でした。

Perplexityも「現在私は選挙や政治的な人物に関する質問への回答を制限されています。」と和訳してくれませんでした。Deeplは和訳してくれました。
お願いしているのは単純に英語から日本語にするだけだということは、生成AIには分かるはずです。意見を求めているわけでもないのに、政治が関わっていると勝手に判断して和訳さえできないのでは、使いものになりません。中国製生成AI「ディープシーク」が「天安門事件」について回答しないと話題になってましたが、全てについて翻訳さえしないのは行き過ぎではないかと思います。
ちなみにDeeplの和訳は下記です。和訳をお願いした部分は経過などが記載されているだけで、政治的見解は直接は書かれていないのですが。。

Deepl(無料版)によるScience記事の和訳
金曜の夜、ドナルド・トランプ大統領は、米国の生物医学研究コミュニティから抗議の声が上がり、法的な異議申し立てがなされたことを受け、国立衛生研究所(NIH)が大学、病院、研究機関に支払う、施設費や管理費を賄うためのいわゆる間接経費を直ちに少なくとも半分に削減すると発表した。
NIHは、新規および既存のすべての助成金に15%の間接費率を適用する、と所長室からのメモで述べた。NIHの通知によれば、通常、研究機関に対する平均的なNIH助成金の約30%が間接費に充てられるが、大学によってはもっと高い率が適用される。2023年、世界最大の生物医学研究助成機関であるNIHは、間接経費に90億ドル近くを費やしている。この変更により、研究機関は、研究室、学生、スタッフを支援するために、他の財源から数十億ドルを調達する必要が生じると思われる。
NIHはメモの中で、「可能な限り多くの資金が、管理間接費ではなく、直接科学研究費に使われるようにすることが......極めて重要である」と書いている。NIHは、この新しい間接経費率によって、民間財団が認めている最大間接経費率に並ぶことになり、NIHが要求している最低10%の間接経費率よりも高くなると述べている。「この率は、助成金受領者が合理的かつ現実的に間接経費を回収できるようにするものである」とメモは述べている。