昨日・今日と第4回日本脳脊髄液漏出症学会2025に参加してました。
37歳で交通事故に遭ったのがきっかけで発症したのがこの病気で、高次機能障害(短期記憶障害、発語障害など)や体調不良(午後には倦怠感が強くなる、姿勢が保てないなど)がなければもっと良い研究ができたのにとの悔しい気持ちは、今でもあります。でもこの病気に対峙して治療し、研究を進めている先生方はみな考え方が極めて合理的で固定観念にとらわれず、患者の声を真摯に受け止めてくださいます。そんな先生方に出会って助けていただいたのはラッキーですし、心身に障害があってもこの程度のことはできると示すことも大切だと考えて、頑張って来ました。そんな先生方の熱い議論を久しぶりに拝聴して、まだまだ頑張れると思いました。
かねてからこの病気には「環境病」の側面があるのではと考えてきましたが、やはりと感じた症例報告もあって、参考になりました。
今回は医師でも会員でなくても参加できる枠が50名設けられていました。昨日の帰りには私以上に後遺症がひどい同年代の女性患者さんと会い、「ブラッドパッチから20年経って副作用でることがあるって、私たちもそろそろかも。。」「患者もいろいろ勉強して備えないとですねぇ。」など意気投合しながら帰りました。
しかも今回は患者やその家族による発表が、私を入れて3題もありました。患者が専門医と同じセッションに混じって発表する医学関係の学会って、それほど無いのではと思います。患者に寄り添ってこの病気の実態解明や治療法を進めようとする、先生方の姿勢の現れだと思います。
この病気は近年まで「脳脊髄液減少症」と言われていました。その前は「低髄液圧症候群」でした。交通事故がきっかけで発症する例が多く、この病気を発症したとして保険請求する例が増えるにつれ抵抗勢力が出てきて、ややこしいことになっているようです。高額療養費制度で露呈した、患者軽視の姿勢がここにもあるようです。