不確定要素

報道が更新されるたびに死者数が増えるミャンマーの地震。

ミャンマーの卒業生には「困ったらウチにおいで」とメールしましたが、首都近郊の空港では管制塔が倒れたと報道されていて、来るとしても近隣国まで歩いて(道路も断層でズタズタ)たどり着かないと出国できそうにないみたいです。。

30年前の阪神淡路大震災(実家は大阪にありました)は1月に起こって、神戸市では寒い冬に1ヶ月以上ガスが復旧せず、体を温めて寝ようとしても風呂に入れない状況でした。亡父は南海道地震に遭遇し、大阪で阪神淡路に遭遇し、ここ被災地・茨城で東日本大震災に遭いました。

そういった「あたりまえにできていたことが、できない状況」に、いつ何時、何度遭うか分からないのが、この日本です。しかしながら、ミャンマーの地震が1000km離れたタイのバンコク超高層マンションに低周波振動の影響が及ぶTV映像を見ても、日本人の大部分が、東京一極集中やらタワマンやらを、全くリスクに思わないのでしょう。

あと約1年で定年です。本郷での講義もは早めに昨年度で終わらせて「危険」な本郷キャンパスに行く機会は断ち、請われてまだしもリスクは小さいと判断して転職した柏キャンパスにも、もう行かないでよくなります。多少は予測していましたが、私は大学という組織には合わない性格でしたので、めでたい限りです(前職の地質調査所は本当に楽しい職場で、誇りにも思っていました。アメリカではWe are from USGSと言うと、一般市民の態度が変わります)。

自宅がある場所は、20歳代から生態学・地政学・地学の知見を総合して「総合的なリスク・ベネフィットから、住むところとして日本でベストな場所」と判断して、就職先は地質調査所にしようと思って、めでたく、そうなったところでした。予測していなかったのが竜巻リスクですが、こればかりはどうしようもなかったのかなぁと思います。「日本の気候変動2025」でもスルーしているようです。

大きな不確定要素は、今後の日本の食糧事情です。日本は食糧自給率が極めて低く、恵まれた魚資源を農薬で減らすことを平気でしています。今の人口を養う穀物をカロリーベースで米で賄うとして計算し(肥料なし、水は常に必要十分が供給されるとし)、足りるとして、そこから「動物」に至る、少なくとも基礎生産量の1%にしか魚にまでいたらないでも大丈夫なのかは、誰も検証していないと思います。

私はせめて、子供達と陸水研の学生は守れるようにしたいと思いますが、その他大勢は知りません。。