7月4日、岩手県北上市で高齢女性が自宅でクマに襲われ死亡しました。今日は北海道で新聞配達員が、ヒグマに襲われ藪まで引きずられ、発見されたときには死亡していたそうです。
1970年代にアメリカに1年間住んでいましたが、クマが住宅地まで来て人を襲うというニュースを聞いた記憶はありません。アメリカにはクロクマ(ツキノワグマに似ている)、グリズリー(ヒグマに似ている)、ホッキョクグマと3種もクマがいます。人口は3.4億人と日本の3倍未満ですが、面積は日本の25倍もあります。人が住んでいる地域を野生動物が住む場所が取り囲んでいる状況は、日本より多いと思われます。
調べたところ、Wikipediaにクマ被害のリストが掲載されていました。
「Bear attacks are rare in North America」とある通り、死亡例は思っていた以上に少数でした。
なぜ最近の日本では、夏の今に住宅地で死亡事故が起こるのでしょう?
ネットで調べたところツキノワグマもヒグマも、夏には虫が餌として重要になるようです。
日本ではマツクイムシ以外にも森林でネオニコチノイド系殺虫剤が使用されている事例があります。特にヤマメが全国的に釣れなくなっており、ヤマメが住むような上流域で、近年になってネオニコの影響が深刻になっているのかもしれません。ということは、森林域にまかれたネオニコチノイドによって、夏季にクマが餌としてきた昆虫が激減して餌不足になっているのではないでしょうか?
かつては生きものにあふれていた田んぼは、1993年に田んぼでのネオニコ使用が始まり、今や単なる米製造工場です。森林まで「木材製造工場」にしてしまう過程でクマ以外にも、餌不足で住めなくなった動物たちの人里への襲来が増えるかもしれず、心配です。