雨水にもネオニコチノイド

環境棟の屋上には、雨水だけで涵養されている池があります。修士学生のときにインドネシアの環境水のネオニコチノイドを調べていた学生は、他にも手当たり次第に水を測っていて、池の水からも検出されたのだそうです。それで彼女は「雨にもネオニコチノイドが入っているに違いない。」と考え、博士課程に進学して、柏市とつくば市で採水した雨にネオニコチノイドが混入していることを突き止めました。

この論文はフランスのルモンド紙で紹介され、科学雑誌Epsiloonからもインタビュー依頼が入りました。

フランスでは先月、「デュプロン法案」と呼ばれる農業関連法案が国会で可決され、ネオニコチノイド系殺虫剤「アセタミプリド」の使用を例外的に認める特例措置が導入されました。

農業関連法案、国会で最終的に可決 | 在仏日本商工会議所 – CCIJF

環境派や市民団体は「環境規制の後退」との強く反発、反対署名は200万筆を超えているそうです。

学生が発表した論文では、その「アセタミプリド」が最も頻繁に検出されていました。それで、フランスで彼女の論文が注目されているのだと思います。
私の定年時の彼女の在籍は2年半なので、学位を得るには特別審査が必要になります。師匠の私が5年もかかった学位を半分の2年半で取れるのか?と心配していましたが、なかなか良い着眼点だったようです。
修論は2本が国際誌に掲載されていて、上記の1本と合わせて公表済み論文は現時点で3本あります。加えて投稿中が2本、英文添削中が1本、9月の分析結果をまとめて10月に1本投稿する予定なので、うまくすると年度末までに合計7本になります。これだけをまとめた学位論文なら審査も大丈夫だろうと、ようやく安心できるようになりました。