秋田市のクマ被害、春と秋

「クマが人里に来るようになったのは、シカが増えてクマの餌を横取りしているから。」との記事がありました。

毎日のようにクマ被害ニュースが流れている秋田県でも、シカは増えているそうです。

AI(Copilot)によると、秋田県のクマは夏(6~8月)には下記を餌にしていると考えられるそうです。

秋田県のクマ出没・被害状況は「クマダス」で分かりやすく表示できます。

秋田市での6月1日~8月31日のクマ目撃・人身被害・痕跡(食害)を検索すると、428件でした。人身被害と痕跡(食害)に絞り込むと5件で、人身被害はゼロでした。食害に遭ったのは養蜂箱、イチジク、スイカやメロン、鶏でした。

冬眠に備えて堅果類の探索を始めるとされる9月以降(9月1日~10月31日)のクマ目撃・人身被害・痕跡(食害)を検索すると、2085件でした。密度は増えていますが、出現する場所は夏と同じパターンに見えます。

人身被害と痕跡(食害)に絞り込むと22件で、うち人身被害は8件でした。今年最初の人身被害は10月10日でした。
食害に遭っていたのは柿が7件、クリが3件、米・糠・牧草が各1件、不明1件でした。

夏3ヶ月の428件と比べて秋2ヶ月の目撃情報は2085件と圧倒的に増えているので、秋田市内に滞在するクマの数自体が、秋に増えている可能性が高いと思いました。目撃された位置は夏と秋でほぼ重なるので、山奥から秋田市にクマが侵入する経路は一定のようです。
食害/目撃数は、夏は1%、秋は0.6%でした。餌を探して徘徊しているクマの割合は、秋の方が少ないことになります。
夏の目撃数は秋の5分の1なので、同じ確率を人身被害に乗じたら春にも人身被害が1件くらいあっても不思議はないのですが、人身被害が始まったのは10月10日からです。「ヒトを襲う熊=アーバンベア」という仮説では、秋になってから襲うようになった理由が説明できない気がします。「シカによるドングリ横取りによる飢餓」も、秋田市で秋の食害が夏より顕著に増えているように見えないので、秋田市の状況は説明できない気がします。

ちなみに2024年12月の秋田市内でのクマ目撃情報は27件、2015年1月は39件、2月は3件、3月は4件でした。「秋田市内のクマが山に戻って冬眠するのは、2月になってから。」ということでしょうか?