初の震度7となった阪神・淡路大震災が起こったのは、1995年1月17日。発生から30年目に当たる今年1月にテレビが特集を放映していて、小松左京著大震災95」が紹介されていました。地学が専門で変動地形の論文も出している私でも、地学的考察が読み応えがありました(逆に、地学の知見があまり無い読者には「読み切れない」との感想もありました)。
首都直下型地震の被害想定は過小ではないかと思っていますが、この本を読んでますますそう思いました。
結びの部分で小松氏は「阪神大震災・情報研究ネットワークセンター」構想を提案し、そのセンターの研究目標を
「物理学から工学、社会学、医学、そして人間のやわらかい心やペットのふるまいまでを総合する『私たちの共有する生きた社会システム』が、突如として自然の巨大な破壊力のインパクトを受けた時、『全体として』どんなことが起こるか、というダイナミック・モデルの構築であろう。」
としています。
それにより
「『東海大地震』が起こった時、その震源エネルギーの大きさ、断層の動き、季節や社会的活動の時間帯によって、どんな打撃の変化が発生し、それが生活、社会、経済活動、政治、人心にどんな影響をもたらすか、といった荒っぽいシミュレーションができるのではないか。」
と提案しています。
先日公表された首都直下型地震の被害想定では、下記による被害は考慮されていないとされています。

出典:https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/past2/pdf/higai_gaiyou.pdf
小松左京氏が提案したようなセンターが阪神・淡路大震災から10年後までに設立され20年間研究を続けていれば、先日公表されたような、限定条件下だけでなく、現実に迫る想定になっていたかもしれません。