原発から近い所ほどガン発生率が高い

Residential proximity to nuclear power plants and cancer incidence in Massachusetts, USA (2000–2018)

「米国マサチューセッツ州における原子力発電所への居住近接性とがん発生率(2000〜2018年)」

というオープンアクセスの論文を、マサチューセッツ州に住む友人に送りました。

論文の概要は下記です。
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原子力発電所からの距離とガン発生率の関係を明らかにするため、マサチューセッツ州の郵便番号ごとに原発への近接度を数値化し、2000〜2018年のがん発生データと照合して分析した。年齢、性別、空気汚染、社会経済状況、医療アクセスなどの影響を調整し、さらにがんの種類ごとの違いも検討した。その結果、原発に近い地域ほどがんの発生率が高く、特に2キロ以内では高齢者のリスクが顕著に上昇していた。女性では75歳以上で2.5倍、男性でも55〜64歳で約2倍となるなど、距離に応じた明確な増加傾向が確認された。また肺、乳房、前立腺、大腸、白血病など多くのがん種で近接性との関連が認められた。原発への近さが原因と推定されるがんは女性で1万件以上、男性で約1万件に達し、州全体のがんの数パーセントを占めると推計される。これらの結果は、原発周辺地域における健康影響が無視できないことを示し、原子力利用が再び注目される中で、継続的な疫学的監視の必要性を強調するものである。
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友人の返信に、歴代知事が民主党で大学や研究者が多いマサチューセッツ州でもそうなのかと驚きました。
彼女によると、マサチューセッツ州下院で大規模なエネルギー/気候関連法案の改訂作業が進んでいて、対象の法案には1980年代に導入された原発の安全規制を緩和する(!)条項が含まれているのだそうです。またアメリカ全土でも、原発拡大の機運が高まっているそうです。
彼女は現在、ボストン地域で移民支援活動で忙しくしているそうで、メールの最後は「暗い話題が続いたので、最後に少し明るい話題」と雪に埋まった自家用車の写真が添付されていました。一晩で56cm降ったそうです。それを「明るい話題」と言えるのは、その程度の雪よりトランプ政権の方がウンザリ、ということなのでしょう。