低線量被爆

かなり以前に産総研で非常勤として分析をお願いしていた方から、メールをいただきました。今は我孫子市に住んでいて、子供への影響が心配なので、市に放射能汚染に対してのアクションを起こしてもらうための運動をしているとのことでした。いろいろ心配は尽きないようです。ネットでも下記のように「東葛エリアで、のどの痛みを訴える子どもたちが、3月後半から、急増しているのではないか」などの記事があったりして、真偽はともかく、心配するのも無理もない気がします。
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/945898fc22160543b404a9ca949cefe5
しかしできることからしかできませんから(と、もっと福島に近いつくばに住んでいる私は開き直るしかないわけで)、全くシロウト考えですが「低線量被爆については、他の発がん性、変異源性のもの(化学物質とか紫外線とか)を減らして、トータルのリスクを減らすことはできるのではないかと思います。」と書きました。
例えば、原発同様、今まで「安全」とされていたものが「もしかしたら危ないかも。。。」になるものは結構あります。つい最近は携帯電話。下記記事では電子レンジはOKみたいですが、15年くらい前にオーストラリアで調査船に乗った時に、電子レンジの扉に「危険かもしれないので子供は稼働中に離れた所にいるように」との警告が貼ってありました。今回の原発事故が、サプライサイドから「安全」とされているもの全般への再検討につながり、最終的には「リスク管理」ではなく「予防原則」に考え方がシフトするきっかけになってくれればと思います。

携帯電話の電磁波「発がんの可能性も」 WHOが分析
2011年6月2日6時0分
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は31日、携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」との分析結果を発表した。耳にあてて通話を長時間続けると、脳などのがんの発症の危険性が上がる可能性があるといい、予防策としてマイク付きイヤホンの使用を挙げている。
フランス・リヨンで31日まで開かれた作業部会で、14カ国の専門家31人が議論し、携帯の電磁波について、五つある発がん性分類で上から3番目の「可能性がある」に位置づけた。IARC分類は、各国が規制措置をする際の科学的根拠となるため、今後、規制論議が始まる可能性がある。ただ、動物を対象にした研究では明確な関連性がないとした上で、今後、長時間携帯を使う人などを対象にした研究を重ね、さらに分析を進めるべきだとした。
電話回線を通じて31日記者会見した作業部会のジョナサン・サメット委員長(米南カリフォルニア大学)は、「(脳のがんの一種である)神経膠腫(こうしゅ=グリオーマ)や、耳の聴神経腫瘍(しゅよう)の危険を高めることを示す限定的な証拠がある」とした。
検証した過去の研究では、1日30分、10年以上の携帯使用で、グリオーマの危険性を40%高めたとの報告があるが、発がん性が明確に証明されたとまでは言えないという。
一方で、同じく電磁波を出す電子レンジやレーダーを職業上使う場合や、ラジオやテレビ、各種無線通信に日常生活で触れる場合も同様に検証したが、発がん性との関係はないとも結論づけた。
会見に同席したIARC幹部は、メールなどの文字を打つ形での携帯電話の使用は、発がん性との関連はないと説明している。ただ、音声通話の際は「長期的な人体への影響を考えるならば、イヤホンを使うなどの予防策がある」と述べた。(ジュネーブ=前川浩之)