陸水学・水環境
能登半島地震被災地では、発生2ヶ月経った今も断水している地域があります。地震が起こったら断水してしまうのは、能登半島地域だけではないようです。下図から、耐震化率が10%未満の地域が全国に広がっているのが分かります。 出典は下記記事です。 耐震化…
震災から2ヶ月近くになりますが、被災地はまだ大変な状況にあると報道されています。被災地の中でも液状化がかなり深刻と報道されている内灘町は、かつて汽水湖だった河北潟の干拓地や砂丘の後背地です。 干拓堤防の復興工事は、4月以降始まる見込みとのこと…
Googleで「雪不足」で検索すると、各地のスキー場が雪不足で悩んでいると報道されていました(例えば下記)。 日本海側では、河川流量が雪解けの時期に多くなります。この週末には各地で雪が降るそうですが、例年並みの積雪量に戻るのでしょうか。 もし例年…
気象庁が今日発表した長期予報によると3~5月は東日本と西日本で「平年並みか高い」、6~8月は太平洋高気圧が強く張り出し、この高気圧の縁を回って暖かい空気が流れ込みやすくなる見込みで、すべての地域で「高い」だそうです。 夏については「顕著な高温に…
21時前の関東・甲信越地方のNHKニュースで、諏訪湖の御神渡りの「不出現」を報告する神事が報道されていました。下記は昨年の不出現報道です。 昨年で「5年連続」なので、今年は「6年連続」になります。温暖化の影響が疑われますが、諏訪湖より南に位置する…
録画しておいたNHKサイエンスゼロ「未来が加速する!DNA解読“ナノポアシークエンサー” 」を見ました。最初の方で井上咲楽さんが東大農学部を訪問、採水した池の水を「ナノポアシークエンサー」なるもので解析したら、どんな魚が池にいるか分かる!と紹介され…
今日は水産庁主催シンポジウム「里海保全の最前線」で基調講演を行いました。1950年代半ばまでは平野部湖沼に沈水植物が大量に繁茂していて、農民がそれらを肥料用に刈りだしていたことを説明、その沈水植物が除草剤使用により衰退したことも伝えました。こ…
日本に普通に分布するフクリンアミジ(Rugulopteryx okamurae)という褐藻類が南仏に侵入したとの2021年付けの報道があります。 この褐藻類が友人が住んでいるポルトガルにも広がって、「日本では何か有効利用していない?」との問い合わせがありました。残…
パシフィコ横浜で開催された日釣振の「環境委員会シンポジウム-淡水魚はなぜ減った?」に行ってきました。 https://www.jsafishing.or.jp/symposium2024 つくば→横浜は片道2時間、ほぼ遠足です。初めて来たパシフィコ横浜は周辺も高いビルが多く、首都直下…
島根県の宍道湖で二枚貝ヤマトシジミの資源量が前年より3割減少したそうです。17mm未満の小型成貝や未成貝が低迷していて、中長期的な動向は楽観視できない状況とも報じています。 貧酸素で小さい個体だけ減るのは不自然なので、おそらく低塩分による珪藻不…
石川県にある河北潟干拓地では堤防の一部が漏水するなどして、干拓地への湖水の流入が確認されているそうです。 河北潟周辺の被災状況の続報です。河北潟干拓地の堤防の一部が提体漏水するなど、干拓地への湖水の流入が確認されています。すでに大型土嚢によ…
政府は沖縄県名護市辺野古沖への米軍基地建設で、沖縄県に代わって設計変更を承認する代執行に踏み切りました。日本経済新聞でさえ、この代執行は汚点だと酷評しています。 不思議なのは、軟弱地盤であることが分かった時点で、なぜ他の地盤がしっかりしてい…
定年まであと2年なのだから、口頭発表や講演はなるべく控えて論文執筆!との方針に反して、年明け1月に2つも講演を引き受けてしまいました。依頼されたのはどちらも魚関係の組織です。 「宍道湖でウナギやワカサギの漁獲量が激減したのはネオニコチノイド…
ミツバチサミット2023で国際養蜂協会連合会長(APIMONIDIA)Jeff Pettis博士の講演を拝聴しました。彼は10年前くらいにも日本に来て、筑波大の研究者と北海道の水田に行ったそうです。そこで散布された「農薬(Pesticide)」が周辺のクローバー群落などに飛…
昨日、秋田市水道水から3000ng/Lものネオニコチノイド(ジノテフラン)が検出された件に関連して、秋田県選出の参議院議員が表記について非常に的確な質問をしていました。これに対する農林水産大臣の回答を聞けば、農林水産省という省庁が何を重視している…
明日の予想最高気温は26℃とまだ平年より高いですが、夜は10℃近くまで冷え込むことから水温はかなり下がっただろうと、アメリカザリガニ探しに行きました。宍塚大池で毎日散歩に来るという方に尋ねたところ、「そう言えば今年はまだみていない。」バス釣りの…
今年度は主にネオニコチノイドが環境に与える影響を進めていますが、ハスが消えた原因検討も継続しています。そんな中、最近ハスが消滅したとのニュースを見つけました。 2ヶ所紹介していて、埼玉県の伊佐沼はアカミミガメの食害が原因とされていました。埼…
7月9日に水田に接続していない水路でアメリカザリガニを目撃しました。 その水路に再度行ったところ、赤色を呈するまで成長したザリガニは皆無で、5cm弱の茶色い個体がそこかしこにいました。 大きい個体、ど~していないんだろう?と思いつつも、水田に面し…
月刊「つり人」10月号が発売になりました。今号から「『ネオニコチノイド』を使わない水辺に優しい農業の可能性を探る」が始まりました。私の難解な文章を一般向けに分かりやすく鬼編集くださった「魚はなぜ減った?」の担当者が執筆しています。分かりやす…
五大湖に行ってきました。シオクサ類の湖岸打ち上げを対象にした研究です。3名で行き、私のテーマは「捕食者がいないから打ち上げが消えない」仮説の検証でした。五大湖のうちオンタリオ湖ではシオクサだけが打ち上がっていて、捕食者になりそうなベントスは…
北米の五大湖で底生緑藻のシオクサが異常繁茂して打ち上がる現象起こる原因として栄養塩、特にリンが有力視されています。富栄養化とともに増え、一時期減ったものの外来二枚貝が侵入してからそれまでにない勢いで増えた為です。外来二枚貝が植物プランクト…
秋田魁新報は、「洋上風力発電を推進してきた自民党の秋本真利衆院議員が、洋上風力発電事業を手がける『日本風力開発』(東京都千代田区)側から不透明な金銭的支援を受けた疑いがある。」と速報しました。 秋田沖には風力発電施設が林立して、極めてエグい…
水圏環境学の3回目のレポートを読み終えました。 私の想像をはるかに超えた議論を展開した学生が、2名もいました。 10年以上続けてきた講義で、いつのまにか学生達の年齢が私の子供達より若くなってました。こういった議論ができる若者がいる限り、日本の水…
身近な水辺をどう守っていけばよいかをテーマに、葛西水族園で行った講演動画が一般公開されました。釣り振興会から公開されている「魚はなぜ減った?~見えない真犯人を追う」で解説した内容を、さらに分かりやすくお話しました。また身近な水辺を守るには…
今日のつくばは最高気温36℃でした。専攻の修論発表会もあって朝から20時くらいまで家を空けねばならなかったので、室温が高くなる15時前に家政婦さんをお願いしていました。家政婦さんの日誌によると、クリ(12歳の柴犬)は今回も暑そうにしていなかったよう…
昨日、犬と散歩していたら、水田とつながっていない水路でアメリカザリガニを発見しました! 1mおきに写真のように水面に登っていました。このところの暑さで水路でさえ酸欠になって、水面まで顔をだしたのかもしれません。 一方で、2日前に散歩した水田に面…
イタチの研究をされている方から、関西の某所ではイミダクロプリドが使用された1993年にニホンイタチの餌場からアメリカザリガニが消え、それとともにニホンイタチも消えたとの情報が入りました。つくば周辺では子供達とザリガニ釣りをした記憶があるので、2…
3月に修士課程を卒業した学生さんが、就職後も某学会の一般会員として入会しなおし(卒業したら学生会員ではなくなると言われて)、修論を投稿していました。本日、無事受理になったと連絡がありました。霞ヶ浦では湖岸の水温が最高で37℃を超えることもある…
下記拙著を読んで下さった方からお手紙をいただきました。 魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う (東大教授が世界に示した衝撃のエビデンス) 作者:山室 真澄 つり人社 Amazon お住まいの市の小中学生に読んでもらいたいと、教育総務課に寄贈したそうです。「…
本郷の水圏環境学の「7.酸化還元反応」では、原核生物も真核生物も酸化還元反応により代謝を行うことを解説し、生物は「エネルギーを光から得るか光以外から得るか」「有機物を自分で作るか他から得るか」の2×2でphotoautotroph, photoheterotroph, chem…