陸水学・水環境
定年まであと2年なのだから、口頭発表や講演はなるべく控えて論文執筆!との方針に反して、年明け1月に2つも講演を引き受けてしまいました。依頼されたのはどちらも魚関係の組織です。 「宍道湖でウナギやワカサギの漁獲量が激減したのはネオニコチノイド…
ミツバチサミット2023で国際養蜂協会連合会長(APIMONIDIA)Jeff Pettis博士の講演を拝聴しました。彼は10年前くらいにも日本に来て、筑波大の研究者と北海道の水田に行ったそうです。そこで散布された「農薬(Pesticide)」が周辺のクローバー群落などに飛…
昨日、秋田市水道水から3000ng/Lものネオニコチノイド(ジノテフラン)が検出された件に関連して、秋田県選出の参議院議員が表記について非常に的確な質問をしていました。これに対する農林水産大臣の回答を聞けば、農林水産省という省庁が何を重視している…
明日の予想最高気温は26℃とまだ平年より高いですが、夜は10℃近くまで冷え込むことから水温はかなり下がっただろうと、アメリカザリガニ探しに行きました。宍塚大池で毎日散歩に来るという方に尋ねたところ、「そう言えば今年はまだみていない。」バス釣りの…
今年度は主にネオニコチノイドが環境に与える影響を進めていますが、ハスが消えた原因検討も継続しています。そんな中、最近ハスが消滅したとのニュースを見つけました。 2ヶ所紹介していて、埼玉県の伊佐沼はアカミミガメの食害が原因とされていました。埼…
7月9日に水田に接続していない水路でアメリカザリガニを目撃しました。 その水路に再度行ったところ、赤色を呈するまで成長したザリガニは皆無で、5cm弱の茶色い個体がそこかしこにいました。 大きい個体、ど~していないんだろう?と思いつつも、水田に面し…
月刊「つり人」10月号が発売になりました。今号から「『ネオニコチノイド』を使わない水辺に優しい農業の可能性を探る」が始まりました。私の難解な文章を一般向けに分かりやすく鬼編集くださった「魚はなぜ減った?」の担当者が執筆しています。分かりやす…
五大湖に行ってきました。シオクサ類の湖岸打ち上げを対象にした研究です。3名で行き、私のテーマは「捕食者がいないから打ち上げが消えない」仮説の検証でした。五大湖のうちオンタリオ湖ではシオクサだけが打ち上がっていて、捕食者になりそうなベントスは…
北米の五大湖で底生緑藻のシオクサが異常繁茂して打ち上がる現象起こる原因として栄養塩、特にリンが有力視されています。富栄養化とともに増え、一時期減ったものの外来二枚貝が侵入してからそれまでにない勢いで増えた為です。外来二枚貝が植物プランクト…
秋田魁新報は、「洋上風力発電を推進してきた自民党の秋本真利衆院議員が、洋上風力発電事業を手がける『日本風力開発』(東京都千代田区)側から不透明な金銭的支援を受けた疑いがある。」と速報しました。 秋田沖には風力発電施設が林立して、極めてエグい…
水圏環境学の3回目のレポートを読み終えました。 私の想像をはるかに超えた議論を展開した学生が、2名もいました。 10年以上続けてきた講義で、いつのまにか学生達の年齢が私の子供達より若くなってました。こういった議論ができる若者がいる限り、日本の水…
身近な水辺をどう守っていけばよいかをテーマに、葛西水族園で行った講演動画が一般公開されました。釣り振興会から公開されている「魚はなぜ減った?~見えない真犯人を追う」で解説した内容を、さらに分かりやすくお話しました。また身近な水辺を守るには…
今日のつくばは最高気温36℃でした。専攻の修論発表会もあって朝から20時くらいまで家を空けねばならなかったので、室温が高くなる15時前に家政婦さんをお願いしていました。家政婦さんの日誌によると、クリ(12歳の柴犬)は今回も暑そうにしていなかったよう…
昨日、犬と散歩していたら、水田とつながっていない水路でアメリカザリガニを発見しました! 1mおきに写真のように水面に登っていました。このところの暑さで水路でさえ酸欠になって、水面まで顔をだしたのかもしれません。 一方で、2日前に散歩した水田に面…
イタチの研究をされている方から、関西の某所ではイミダクロプリドが使用された1993年にニホンイタチの餌場からアメリカザリガニが消え、それとともにニホンイタチも消えたとの情報が入りました。つくば周辺では子供達とザリガニ釣りをした記憶があるので、2…
3月に修士課程を卒業した学生さんが、就職後も某学会の一般会員として入会しなおし(卒業したら学生会員ではなくなると言われて)、修論を投稿していました。本日、無事受理になったと連絡がありました。霞ヶ浦では湖岸の水温が最高で37℃を超えることもある…
下記拙著を読んで下さった方からお手紙をいただきました。 魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う (東大教授が世界に示した衝撃のエビデンス) 作者:山室 真澄 つり人社 Amazon お住まいの市の小中学生に読んでもらいたいと、教育総務課に寄贈したそうです。「…
本郷の水圏環境学の「7.酸化還元反応」では、原核生物も真核生物も酸化還元反応により代謝を行うことを解説し、生物は「エネルギーを光から得るか光以外から得るか」「有機物を自分で作るか他から得るか」の2×2でphotoautotroph, photoheterotroph, chem…
石川県では全ての小学校で、6年生が一斉にツバメ調査をしていると「ナニコレ珍百景」で紹介されていました。それはスゴイと検索したら、「石川県ふるさとのツバメ総調査」とのサイトでデータが公開されていました。 小学生によるふるさとのツバメ総調査デー…
霞ヶ浦ではアサザが激減(絶滅?)したとのネット情報がありますが、霞ヶ浦の堤防の陸側にある水路では、変わらず繁茂しています。 霞ヶ浦はつい最近まで汽水で、その頃は上流側のごくわずかな部分か流入河川・用水路・田んぼなどにしか、アサザは生えていま…
日本にまだジュゴンがいるかもしれないとのニュースがありました。 私は2007年まで産総研職員だったのですが、その時に産総研で作成したホームページに「夢はジュゴン公園でした」との記事を書きました。 夢はジュゴン公園 この記事で紹介したプロジェクトで…
諫早湾干拓訴訟について、最高裁判所は開ける立場の漁業者側の上告を退ける決定を行い、開門命令「無効」が確定したそうです。 諫早湾干拓事業、長良川河口堰、宍道湖淡水化事業では、ほぼ同じ頃に反対運動が起こりました。中止になったのは宍道湖だけです。…
2月26日の葛西臨海水族園での講演で使うパワポを、本日、水族園に送りました。 「魚はなぜ減った?」という主題のもと、ネオニコチノイド系殺虫剤と温暖化の影響を解説します。また、それらに対して行政や専門家と称する人達が、どのような反応・対応をして…
島根県の現場の研究者が「宍道湖で平成6年(1994年)以降にワカサギが不漁なのは、夏季高水温のみの影響ではない。」と報告しているのに、島根県は「原因は高水温」とホームページで回答していることを紹介しました。 念のためウィキペディアで「ワカサギ」…
御嵩町の住民グループが、リニア工事残土処分場建設に反対を表明したと報道されました。 反対理由のひとつとして「トンネル工事の残土に自然由来の重金属が含まれるおそれがあり、安全対策に不安があること」が挙げられています。具体的には川に流出するかも…
シジミで有名な宍道湖ですが、海水と淡水が混ざった湖なので淡水魚も海産魚もいます。江戸時代シジミは宍道湖周辺で利用される程度で、関西まで出荷されていたのはウナギでした。宍道湖の豊かな水産物は昔から「すもうあしこし」と覚えられていました。 す……
昨年12月に行われた生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)について、12月22日付で環境省が報道発表をしています。 生物多様性条約第15回締約国会議第二部、カルタヘナ議定書第10回締約国会合第二部及び名古屋議定書第4回締約国会合第二部の結果概要につい…
2021年に亡くなった津谷裕子様は、自身も被害を受けた杉並病の原因は不燃ゴミ圧縮施設で発生した化学物質だと様々な手段で訴えていました。 昨年3月、津谷様のお宅が解体され資料は全て産廃業者が処分することになったと、知人から相談がありました。その知…
北朝鮮産シジミを国産と偽装して販売、売り上げが北朝鮮に流れていた可能性があると報道されていました。 「原産地をロシア産などと偽って」とありますが、ロシア産シジミって、スーパーでほとんど目にしないのではないでしょうか。アサリ同様、国内産と偽装…
秋田では今年、ハタハタが不漁だったそうです。地球温暖化や海水温の上昇が原因と報じています。 もし温暖化が原因だったら、秋田より南の日本海側での漁獲量は、もっと減っているハズですよね。ところが兵庫や鳥取といった秋田より南にある産地では、漁獲量…