読書記録

独裁体制から民主主義へ

原題は「From dictatorship to democracy」、著者はGene Sharp。下記サイトから英語ほか様々な言語版をフリーでダウンロードできます。 ただし日本語の無料版はなく、筑摩書房から販売されています。 この本はNHKEテレ「100分で名著」で知りました。 日本は…

これも編集担当さんのおかげ。。。

私が書いた本は、自分では一般の方にも分かるように書いたつもりなのに、「やっぱり理系だよねぇ。」(いや、私はもともと文科III類ですが ^^))、「文章が難しい。」とか悪評ばかり聞こえて来ました。ところが最新著の「魚はなぜ減った?見えない真犯人を追…

きれいな石材図鑑

建物の外装や内装、お城の堀、彫刻、お墓など、様々に利用されている石材。その種類や石のできかた、世界も含めた産地の特徴が子供にも分かりやすいようにマンガで解説されています。身近な所に日本や世界の各地の石が使われているので、夏休みの自由研究に…

東大ハチ公物語 上野博士とハチ、そして人と犬のつながり

東京大学出版会の本です。表紙のデザインが、東大出版会の本としては異色な気がします。内容も異色で、犬がテーマでなければありえなかった広がりを感じます。裏表紙はハチの剥製カラー写真。今の秋田犬とはちょっと違って見えます。うちの柴犬も、明治の頃…

地形学

地形学の教科書です。 地形学 作者:松倉 公憲 朝倉書店 Amazon 「地形学」は地球表面の形態を記載・分類しその成因を探求する、自然地理学の一分野です。私は理学部地理学教室に所属していたので、学部を卒業するために地形学は必須でした。その頃の教科書は…

良原リエ著「食べられる庭図鑑」

野菜を植えっぱなしにするとか、雑草や花を食べるとか、屋内では庭で採れた種をスプラウトに、果物も庭からといった、私がこのブログで時々書いている「食べられる庭」をテーマにした本を見つけました!こういう本があると、「それって、山室さんだからでき…

日本を救う未来の農業

日本の農薬漬け農業は先進国がやることじゃないなとは思ってましたが、やっぱり相当遅れていることがイスラエルやヨーロッパの農業と比較して解説されてました。農業が転換期を迎える中で、ナノ技術が既にポストハーベストに利用されてるとか、AIロボットが…

三輪正幸著「おいしい果樹の育て方」

以前にご紹介した「おいしく育てるはじめての家庭果樹」の同じ著者による、内容が倍以上濃くなった本です。前著は鉢植えだけ解説していましたが、本書では地植えでコンパクトに育てる方法を解説した上で、鉢植えでの育て方を解説しています。ですので、本書…

看取り犬 文福の奇跡

犬だけでなく、看取りする猫の話も含め15話。飼い主は特別養護老人ホームの入所者、そして犬や猫はいずれも老齢だったり保護動物だったりします。死期間近な高齢者が、そんな、ともすると社会からお荷物扱いされる動物といることで、穏やかで幸せな時間を過…

誰でも4時間を切れる!効率的マラソンメソッド

このブログでたびたび「月間100kmくらいでフルマラソンの記録を伸ばす」と書いてますが、プロのマラソン指導者が同様の主張を展開されていました。この本の63ページにある初心者(4~5時間台での完走を目指す方)用練習目メニュー案で計算すると、月間100km…

誰が科学を殺すのか 科学技術立国「崩壊」の衝撃

理工系研究者なら実感できる記載と解析満載だと思います。個々の感想は後日にコメントしますが、既に日本では次世代の育成は遅きに失している可能性をご紹介します。現在、文科省では「学術変革領域研究(A・B)」という、比較的大型の研究プロジェクトを公…

プラネット アース イラストで学ぶ生態系のしくみ

表記書籍が間もなく販売になります。この本の監訳ができる人がいないかと出版社から相談を受けたとき、定年になったら子供向けに書きたいと思っていた本そのものだったので、驚愕しました。素敵なイラストと分かりやすい文章で、生態学の基本概念がまず解説…

シジミ学入門

身近な二枚貝の代表であるシジミですが、総合的に解説した和書はこの本くらいのようです。新聞の連載として執筆された文章をもとにしているので、一般の方にも分かりやすく解説されています。生活史、生理生態、水産資源、食材など様々な観点から記載されて…

参考書30:The wondrous workings of Planet Earth

生態系に共通する基本的枠組(分類体系、物質循環など)をざっと解説した上で、地球に成立している多様な生態系の仕組みを地域ごと(アフリカの砂漠とかサバンナとか)に解説し、再びシステムとしての生態系に関わる項目(動物、植物、海洋、湖沼、リン循環…

野草をおいしく食べる本

野原、水辺、里山など場所ごとにまとまっているので、目的の植物を特に決めず、写真に似た植物があれば採ってみる、という使い方ができます。アク抜きやレシピも書かれているので、野菜は買ったものしか食べたことがない、という方でもとっつきやすいと思い…

参考書29:世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ

あと10日で終わる平成。その「平成に出版された残しておきたい1冊」という趣旨のフェアが近所のTSUTAYAでやっていて、並んでいた本にふと目が止まりました。そうだった、この本、買わなきゃと思ってて忘れてたと、ソク買ったのが「世界でいちばん貧しい大統…

天才を殺す凡人

かつては「Japan as NO1」という本が出版され、「科学技術立国」「物づくり大国」とのフレーズが飛び交っていたなんて、まるでウソのような今の日本。本書は大胆な仮説で、その原因と対策を提案しています。下記は私がまとめた概要の一部です。「大胆」と書…

このままだと、日本に未来はないよね。

あと10年以内に、日本人の大部分が経済的にかなり苦しい生活を強いられると予測しています。「、」「。」入りというあまり見ない書名が面白くて手に取ったところ、著者は2チャンネル、ニコニコ動画の開設者でした。忙しい、本を読むのが苦手、という方は、…

参考書28:フィールドワーク心得帖 新版

室内実験やモデル計算ではなく、現場で起こっている現象から課題を解決するために必要なノーハウが一通り解説されています。さらには解決した内容を口頭発表(スライド、ポスター双方)とレポートにまとめるところまでマスト事項が解説されているので、フィ…

定年3.0 50代から考えたい「その後の50年」のスマートな生き方・稼ぎ型

「人生100年時代の老後は『お金・健康・孤独』の3つの問題をどう解消するかがカギとなる。」とのキャッチに関心を持って読んでみました。88歳の親と同居することで自身の30年後を毎日見ながら生活していると、特に「孤独」は重要なキーワードと感じていた為…

マラソンにお勧め「美尻トレ」

私は長い距離走っても膝が痛むとか息が上がることは全く無いのですが、太ももが痛くなって30km前後から失速していました。また1kmを全力で走っても自己ベストは5分半くらいと、フルマラソンのラップと1分少々しか違わない遅さでした。 その原因は筋肉不足と…

桐村里沙「日本人はなぜ臭いといわれるのか」

芳香剤と除菌グッズが科学者としては理解不能なまでにもてはやされている日本ですが、予防医学の見地からその問題点をとても分かりやすく解説した好著です。柔軟剤の芳香などでその人本来のにおいをごまかすことは、いわば黄疸や貧血で顔色が悪いのを「みっ…

おいしく育てるはじめての家庭果樹

本書の最大の特徴は、鉢植えでの育て方を解説している点です。 実は、近所で柿を鉢植えしているのを見たときから(10月30日記事)、「もしやどんな果樹でも鉢植えで育てられるのでは?」と思っていました。そう思って書店をぶらついていて、何気なく手にした…

中田敦彦「僕たちはどう伝えるか」

オリエンタルラジオの中田敦彦氏をテレビで初めてみたのは2017年6月4日「しくじり偉人伝”ピタゴラス”」。あまりの面白さに、以後、中田氏の回だけは必ず見るようにしていたのですが、残念ながらその後3回しか彼のプレゼンはありませんでした。 先日、1ヶ…

カワハタ先生の動物の不思議 どこがおなじでどこがちがうの?

まずはお子さんに、好きなところからでいいから見てごらん、と勧めてください。どこから読み始めても、「生き物ってスゴイ!」と感激すること必至です。そして、何の変哲もないと思っていた日常に、実はいろんな不思議が満ちていて、その不思議は生き物たち…

こどもが探せる川原や海辺のきれいな石の図鑑

きれいな色、おもしろい形、水面を何度もかすめて飛ばせる。。。子供の生活には石集めのきっかけがあふれています。3月19日付記事で紹介した鈴木福君のように、出会いがあれば石に魅了される子供は多いでしょう。 そんなお子様に超お勧めの本です。 第1章で…

キミのお金はどこに消えるのか

円高と円安はそれぞれどのような影響を与えるのか、消費税を増やすと税収は増えるのかなど、どういう経済政策を提案する政治家に投票すべきか考える目安になる項目が「中国人妻に日本人夫が説明」という形で解説されています。 巻末の特別編でこのコミックが…

マラソンランナーへの道

今年こそはフルマラソン4時間台で完走したいと、筑波大の鍋倉賢治先生が主催する「つくばランニングラボ」に入会して、月1回ペースで受講しています。その鍋倉先生にお勧めの本を尋ねたところ、紹介されたのが本書です。10kmのジョグでフルマラソン完走後並…

DaiGo著「自分を操る超集中力」

「山室さんって、何でそんなにいろいろできるんですか?」「集中力ゼロだからですよ。せいぜい30分しかもたないから、何かやったら、次に全く違うことしないと、すぐ飽きちゃって。」 みたいな会話をした方は、結構おられるかと思います。実は30分しかもたな…

そばもん ニッポン蕎麦行脚 17巻

出雲そばの話だけでなく、小泉八雲の松江での様子も描かれています。日本全体が八雲が危惧した状況に陥っているのは大変残念ですが、松江にはまだ八雲が愛した気高い日本人が多くいて、風景にも「神々の国の首都」の雰囲気が漂っています。私が40年近く宍道…