化学物質
10月25日付けで公開されたScience最新号に、Gandara他による「環境中での濃度における様々な農薬による昆虫に対する致死未満の影響(Pervasive sublethal effects of agrochemicals on insects at environmentally relevant concentrations)」が掲載されて…
国立環境研究所が全国175地点からサンプルを得て、ニホンミツバチのネオニコチノイド曝露状況を明らかにしました。 土地利用の割合と各農薬の「検出有無」との関係を解析した結果、農地(特に水田・果樹園)、および都市域で農薬が検出される確率が相対的に…
秋田市が8月15日と27日に水道水のネオニコチノイドを検査した結果を発表しました。 ネオニコチノイドの中でもジノテフランだけ測ったそうです。定量下限が3000ng/Lって、いったいどんな業者に発注したのでしょう?これではEUの飲用水基準値である100ng/L未満…
夕方に犬の散歩をしていたら、自宅近くの街路樹に写真の通告が掲示されていました。 明後日に殺虫剤を散布するようです。「殺虫剤」だと苦情が来ると思って「消毒」という単語を使ったのだと思いますが、毛虫の駆除なのですから殺虫剤でしょう。7月24日にニ…
一昨日紹介した、唯一、虫害に遭っていないように見えた黄桃を、本日収穫しました。 食われているように見えましたが、 洗うと無傷でした!甘い香りも漂ってきます。 袋の中に1個体だけアリがいました。汚れていたのはこれの糞だったのでしょう。虫食い被害…
水道水質の担当省が厚労省から環境省に代わって、農薬の目標値がどこで公開されているのか分からなくなりました。水道水のネオニコを研究していた修論生に目標値の出典を聞かれても回答できないまま修論提出締切日が過ぎ、最終提出までには出典を探さなけれ…
もうすぐ田んぼにネオニコチノイドが空中散布されます。東北の某地域では、稲の開花から1週間後にジノテフラン、それから10日あけてスルホキサフロルを空中散布するそうです。これはカメムシを標的にした斑点米対策なので、ウンカ対策でもネオニコをまく西日…
先週は「第3回環境化学物質合同大会」に参加していました。最も衝撃だったのはネオニコチノイドに関するポスター発表で、一般には自然豊富で空気がきれいと思われがちな山間部で、8月の降水中のチアクロプリド濃度が600ng/L、河川水が4500ng/Lとなっていま…
有機フッ素化合物(PFAS)が水道水に混入していると問題になっています。 上記リンクの最初に出てくる図にある製品は、家庭内で身近に使われているものばかりです。某学会で、こういった製品から発生する有機フッ素化合物がハウスダストとしてかなりの量が存…
夜間照明のシールドを工夫するだけで、昆虫が突っ込んで死亡するのを防げるという論文が公開されていました。 国として昆虫保護行動計画を進めているドイツの研究でした。 「6)光害削減」の一環なのですね。「昆虫保護行動計画」の施策案は、農業支援制度お…
ベトナム戦争時アメリカ軍は、ベトナム兵がジャングルに逃げ込んでも発見しやすいように、空から除草剤を大量散布していました。主に略称2,4-D、2,4-Tと呼ばれる化学物質で、不純物としてダイオキシンが含まれていたことから、多くの子ども達が死産だったり…
自宅近くの空き地では毎年、除草剤がまかれます。今年も4月10日にまいていました。 5日後の今日、一気に枯れてきました。 犬を診てもらっている動物病院の道路を挟んだ空き地でも毎年、除草剤がまかれます。それで動物病院の受付には「当院前の空き地には犬…
下記リンクで「日本の水道水およびその原水に混入する農薬の全国的傾向(National trends in pesticides in drinking water and water sources in Japan」と題した論文の概要を見ることができます。 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S…
夕方の犬の散歩で、松代の水田が広がる部分に行きました。畦には除草剤を以前にまいたようで、畦沿いに草が枯れていました。 田起しもしていました。つくばでは昨日まとまった雨があったので、前年にまかれて水田土壌に浸透した農薬や、畦にまかれた除草剤が…
農薬は航空機では機内持ち込みはおろか、預けることもできない危険物です(赤丸で囲ったところ)。特に水田にネオニコチノイド系などの殺虫剤を使用している農家は。農薬は使いようによっては大変危険であるとの認識を持ってほしいものです。使用法には「ま…
コウノトリ保護に取り組んでいる鳴門市で、農薬使用を通常の半分以下で育てた米で日本酒を造ったそうです。 日本酒は米と水が味の決め手です。その米を作る水田にまかれたネオニコチノイドが秋田市水道水に混入し、昨年8月にはジノテフランだけで3000 ng/Lに…
佐渡以外でのトキの野生復帰を目指して環境省は「トキの野生復帰を目指す里地」を公募し、2022年8月に石川県と島根県を選定しました。 トキと共生する里地づくり取組地域の選定結果について | 報道発表資料 | 環境省 石川県の対象地域は被災した能登地方なの…
ウィキペディアで「ネオニコチノイド」を検索すると、「ネオニコチノイドは、水溶性が高く植物体への浸透移行性もあるため、残効が長いという特長を有する。」とあります。実際、ジノテフランというネオニコチノイドは主に水田で夏に散布されますが、全国12…
Status Report on Neonicotinoid Pollution in Japan: Emphasis on Human, Animal, and Environmental Health(日本のネオニコチノイド汚染に関する現状報告: 人間、動物、環境の健康の観点から)」と題された論文が公表されました。末尾のリンクからフリー…
「食品添加物の認可数は日本が世界一」という言説が拡散したそうで、Fact-checkが検証した結果、「誤り」と判断したそうです。 この記事では最後の方で「農薬使用量が世界一」も誤りと解説しています。ネオニコチノイド系殺虫剤の影響についても、「欧米では…
このブログで何度か、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるネオニコチノイドが検出されたことを紹介しました。その原因として、秋田市が今から約30年前の平成6年(1994年)に厚労省から出された通達に従っていなかった可能性が浮上しています。平成6年、新潟大…
10月28日の当ブログで、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランと500ng/Lを超えるスルホキサフロルが検出されたことを報告しました。いずれもカメムシ対策として水田にまかれたネオニコチノイド系殺虫剤です。 住民が対策を求めたところ担当者は、「…
ミツバチサミット2023で国際養蜂協会連合会長(APIMONIDIA)Jeff Pettis博士の講演を拝聴しました。彼は10年前くらいにも日本に来て、筑波大の研究者と北海道の水田に行ったそうです。そこで散布された「農薬(Pesticide)」が周辺のクローバー群落などに飛…
昨日、秋田市水道水から3000ng/Lものネオニコチノイド(ジノテフラン)が検出された件に関連して、秋田県選出の参議院議員が表記について非常に的確な質問をしていました。これに対する農林水産大臣の回答を聞けば、農林水産省という省庁が何を重視している…
かつて水田用除草剤CNPが信濃川や阿賀野川に流出して水道水に混入、胆嚢癌患者が全国比の2倍になっていたことが問題になった新潟県。その後の私の調査から、少なくとも現在の新潟市の水道水はネオニコチノイド系殺虫剤濃度は、EUの飲用水規制を超えないくら…
日本の水道水には農薬が混入し、過去には健康被害が起こっています。ウィキペディアで「クロルニトロフェン」を検索すると、下記が記載されています(2023年10月30日確認)。---------CNPと略記される。1993年、新潟大学の研究グループは日本疫学会総会にお…
秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランが検出されました。同じ水道水でスルホキサフロルも500ng/L超えでした。似た構造・性質を持つ化学物質による複合曝露が起こっていることになります。共同研究者が県庁への説明とプレスレリースを行いました。 …
有害性が指摘され日本でも水道水の基準(1リットル当り50ナノグラム)が決められているPFASが、はるかに高い濃度(1リットル当り1200ナノグラム)で検出されたそうです。 日本の基準はアメリカ(1リットル当り4ナノグラム)の10倍以上緩く、1200ナノグラムだ…
つくば市中心部のペデを歩くと、そこかしこでキンモクセイの香りがします。自宅のキンモクセイも5~7分咲きといったところです。私は4歳から8歳まで大阪市内に住んでいて、キンモクセイの香りをほとんど知らずにいました。自宅にもキンモクセイがあったので…
3月の水環境学会での口頭発表や環境ホルモン学会ニュースレターへの寄稿では、ネオニコのジノテフランが800ng/L以上検出された水道水を「秋田県X市」と表現しました。全国には他にもこれくらい出ている水道はあるので、ここだけが高いと住民が過度に心配して…