化学物質

農薬は危険物

農薬は航空機では機内持ち込みはおろか、預けることもできない危険物です(赤丸で囲ったところ)。特に水田にネオニコチノイド系などの殺虫剤を使用している農家は。農薬は使いようによっては大変危険であるとの認識を持ってほしいものです。使用法には「ま…

農薬使用を半分以下にした日本酒

コウノトリ保護に取り組んでいる鳴門市で、農薬使用を通常の半分以下で育てた米で日本酒を造ったそうです。 日本酒は米と水が味の決め手です。その米を作る水田にまかれたネオニコチノイドが秋田市水道水に混入し、昨年8月にはジノテフランだけで3000 ng/Lに…

出雲市でトキ野生復帰なんて無理!

佐渡以外でのトキの野生復帰を目指して環境省は「トキの野生復帰を目指す里地」を公募し、2022年8月に石川県と島根県を選定しました。 トキと共生する里地づくり取組地域の選定結果について | 報道発表資料 | 環境省 石川県の対象地域は被災した能登地方なの…

水溶性という1点でもPOPsにはならないネオニコ

ウィキペディアで「ネオニコチノイド」を検索すると、「ネオニコチノイドは、水溶性が高く植物体への浸透移行性もあるため、残効が長いという特長を有する。」とあります。実際、ジノテフランというネオニコチノイドは主に水田で夏に散布されますが、全国12…

日本のネオニコチノイド汚染に関する現状報告

Status Report on Neonicotinoid Pollution in Japan: Emphasis on Human, Animal, and Environmental Health(日本のネオニコチノイド汚染に関する現状報告: 人間、動物、環境の健康の観点から)」と題された論文が公表されました。末尾のリンクからフリー…

日本は「農薬使用量が世界一」は誤り

「食品添加物の認可数は日本が世界一」という言説が拡散したそうで、Fact-checkが検証した結果、「誤り」と判断したそうです。 この記事では最後の方で「農薬使用量が世界一」も誤りと解説しています。ネオニコチノイド系殺虫剤の影響についても、「欧米では…

秋田市は自然死産率全国1位

このブログで何度か、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるネオニコチノイドが検出されたことを紹介しました。その原因として、秋田市が今から約30年前の平成6年(1994年)に厚労省から出された通達に従っていなかった可能性が浮上しています。平成6年、新潟大…

「あきたこまち」のダブルスタンダード

10月28日の当ブログで、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランと500ng/Lを超えるスルホキサフロルが検出されたことを報告しました。いずれもカメムシ対策として水田にまかれたネオニコチノイド系殺虫剤です。 住民が対策を求めたところ担当者は、「…

ミツバチはやはりネオニコで減っていた

ミツバチサミット2023で国際養蜂協会連合会長(APIMONIDIA)Jeff Pettis博士の講演を拝聴しました。彼は10年前くらいにも日本に来て、筑波大の研究者と北海道の水田に行ったそうです。そこで散布された「農薬(Pesticide)」が周辺のクローバー群落などに飛…

農業従事者にも消費者にも環境にも持続的な農業

昨日、秋田市水道水から3000ng/Lものネオニコチノイド(ジノテフラン)が検出された件に関連して、秋田県選出の参議院議員が表記について非常に的確な質問をしていました。これに対する農林水産大臣の回答を聞けば、農林水産省という省庁が何を重視している…

水田では原則、無農薬・減農薬

かつて水田用除草剤CNPが信濃川や阿賀野川に流出して水道水に混入、胆嚢癌患者が全国比の2倍になっていたことが問題になった新潟県。その後の私の調査から、少なくとも現在の新潟市の水道水はネオニコチノイド系殺虫剤濃度は、EUの飲用水規制を超えないくら…

活性炭処理していない水道水は秋田市だけ

日本の水道水には農薬が混入し、過去には健康被害が起こっています。ウィキペディアで「クロルニトロフェン」を検索すると、下記が記載されています(2023年10月30日確認)。---------CNPと略記される。1993年、新潟大学の研究グループは日本疫学会総会にお…

ネオニコが3000ng/Lを超えていた秋田市水道水

秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランが検出されました。同じ水道水でスルホキサフロルも500ng/L超えでした。似た構造・性質を持つ化学物質による複合曝露が起こっていることになります。共同研究者が県庁への説明とプレスレリースを行いました。 …

日本の水道水は安全?

有害性が指摘され日本でも水道水の基準(1リットル当り50ナノグラム)が決められているPFASが、はるかに高い濃度(1リットル当り1200ナノグラム)で検出されたそうです。 日本の基準はアメリカ(1リットル当り4ナノグラム)の10倍以上緩く、1200ナノグラムだ…

キンモクセイが咲くありがたさ

つくば市中心部のペデを歩くと、そこかしこでキンモクセイの香りがします。自宅のキンモクセイも5~7分咲きといったところです。私は4歳から8歳まで大阪市内に住んでいて、キンモクセイの香りをほとんど知らずにいました。自宅にもキンモクセイがあったので…

ネオニコが一番高かった水道水は?

3月の水環境学会での口頭発表や環境ホルモン学会ニュースレターへの寄稿では、ネオニコのジノテフランが800ng/L以上検出された水道水を「秋田県X市」と表現しました。全国には他にもこれくらい出ている水道はあるので、ここだけが高いと住民が過度に心配して…

アメリカだって緩い

「Neonicotinoid contamination of global surface waters and associated risk to aquatic invertebrates: A review」とのタイトルの2015年に公表された論文は、動物によってネオニコチノイド系殺虫剤(以下、ネオニコ)の影響がかなり異なることや、アメリ…

EUが香害の原因となっているマイクロカプセルを制限

EUが「意図的に添加された」マイクロプラスチックを制限する措置を採択したそうです。下記を読む限り、柔軟剤 に加えられている香料入りマイクロカプセルも含まれているようです。日本政府はマイクロカプセル問題を「海ゴミ」にとどめ、「非意図的」なものし…

健全な環境があれば生き物は勝手に増える

「つり人」11月号が発売されています。 つり人2023年11月号 連載「『ネオニコチノイド』を使わない水辺に優しい農業の可能性を探る」の第2回は、「埼玉県さいたま市・NPO『水のフォルム』循環型伝統農法のケースより」。冒頭で、なぜ水をテーマにしたNPO法…

いくらなんでも。。

宍道湖ではネオニコチノイド使用によって動物プランクトンやオオユスリカなどの節足動物が激減し、これらを餌にしていたワカサギやウナギの漁獲量が激減したと、2019年にScience誌で発表しました。これに対して島根県は「ワカサギが減ったのは夏季の高水温が…

ジャニーズ性加害問題と農協

昨夜はジャニー喜多川前社長をめぐる性加害問題の「外部専門家による再発防止特別チーム」記者会見ニュースが、かなりのメディアで取り上げられていました。 「ジャニー氏の性加害の問題については、過去にいくつかの週刊誌が取り上げてきたものの、2023年3…

ここまで来て。。

香害の遠因を解明しようと、かなり以前からGC/MS/MSを使っての香料分析法に携わってきました。一度は「これで行ける!」と思える段階まで行ったのですが、念のためそのメソッドと同じ方法で他の人に柔軟剤を測ってもらったら、異なる値になりました。なぜ?…

沈黙の夏

夏の深夜ベランダに出ると、虫達の声が聞こえた。今はほとんど聞こえない。この国でまたもや、何かが起こっている。私の庭からさえも、虫の声がない。アゲハの幼虫もウリハムシも来ず、スズメがやたら野菜や果物を突いている今年。スズメさえ虫を見つけられ…

神風が吹く

今年の気象は明らかにおかしく、キンカンがまた狂い咲きしました。前回、狂い咲きした実がいま熟しつつあります(下の写真の黄色く見えるところ)。 暑かったり寒かったり、かなりの豪雨になったりで人間も大変ですが、植物たちも悲鳴をあげていることでしょ…

アメリカザリガニ発見!

昨日、犬と散歩していたら、水田とつながっていない水路でアメリカザリガニを発見しました! 1mおきに写真のように水面に登っていました。このところの暑さで水路でさえ酸欠になって、水面まで顔をだしたのかもしれません。 一方で、2日前に散歩した水田に面…

河川のネオニコチノイド濃度は環境基準以下?

環境省の某会議で「ジノテフランというネオニコチノイドが8月に水田に集中的に散布されることで河川水から高濃度で検出されており、おそらくそれが原因でウグイやオイカワなどの下流の魚が全国で激減している。」と発言したところ、「環境省では農薬残留対策…

こんな報告書を出す学術会議はイヤだ

日本学術会議が昨日(6月23日)付で「外来害虫・病原体・雑草による作物生産被害の現状と対策」という報告書を公開しました。 What's new|日本学術会議 20ページでネオニコチノイドに言及しています。「化学農薬の中でもとりわけ良いイメージをもたれて…

ネオニコチノイドがイタチを減らした?

イタチの研究をされている方から、関西の某所ではイミダクロプリドが使用された1993年にニホンイタチの餌場からアメリカザリガニが消え、それとともにニホンイタチも消えたとの情報が入りました。つくば周辺では子供達とザリガニ釣りをした記憶があるので、2…

プラスチックの加熱は危ない

杉並病、寝屋川病と呼ばれる健康被害について、「原因は廃プラスチックの圧縮」との主張が散見されます。杉並病の原因物質を出した施設は「廃プラスチック圧縮処理施設」ではなく「不燃ゴミ圧縮中継施設」です。使い残しの農薬類、スプレー缶、蛍光灯、乾電…

大量にネオニコをまくよう農水省が指導?

環境ホルモン学会ニュースレター(http://jsedr.org/NL/NL25-4.pdf)で私が公表した秋田県の水道水中ネオニコ濃度報告を読んだ方から、メールをいただきました(転送許可を得ました)。8月にカメムシ対策で大量のジノテフランがまかれるようになったのは農水省…