化学物質
このブログで何度か、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるネオニコチノイドが検出されたことを紹介しました。その原因として、秋田市が今から約30年前の平成6年(1994年)に厚労省から出された通達に従っていなかった可能性が浮上しています。平成6年、新潟大…
10月28日の当ブログで、秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランと500ng/Lを超えるスルホキサフロルが検出されたことを報告しました。いずれもカメムシ対策として水田にまかれたネオニコチノイド系殺虫剤です。 住民が対策を求めたところ担当者は、「…
ミツバチサミット2023で国際養蜂協会連合会長(APIMONIDIA)Jeff Pettis博士の講演を拝聴しました。彼は10年前くらいにも日本に来て、筑波大の研究者と北海道の水田に行ったそうです。そこで散布された「農薬(Pesticide)」が周辺のクローバー群落などに飛…
昨日、秋田市水道水から3000ng/Lものネオニコチノイド(ジノテフラン)が検出された件に関連して、秋田県選出の参議院議員が表記について非常に的確な質問をしていました。これに対する農林水産大臣の回答を聞けば、農林水産省という省庁が何を重視している…
かつて水田用除草剤CNPが信濃川や阿賀野川に流出して水道水に混入、胆嚢癌患者が全国比の2倍になっていたことが問題になった新潟県。その後の私の調査から、少なくとも現在の新潟市の水道水はネオニコチノイド系殺虫剤濃度は、EUの飲用水規制を超えないくら…
日本の水道水には農薬が混入し、過去には健康被害が起こっています。ウィキペディアで「クロルニトロフェン」を検索すると、下記が記載されています(2023年10月30日確認)。---------CNPと略記される。1993年、新潟大学の研究グループは日本疫学会総会にお…
秋田市水道水から3000ng/Lを超えるジノテフランが検出されました。同じ水道水でスルホキサフロルも500ng/L超えでした。似た構造・性質を持つ化学物質による複合曝露が起こっていることになります。共同研究者が県庁への説明とプレスレリースを行いました。 …
有害性が指摘され日本でも水道水の基準(1リットル当り50ナノグラム)が決められているPFASが、はるかに高い濃度(1リットル当り1200ナノグラム)で検出されたそうです。 日本の基準はアメリカ(1リットル当り4ナノグラム)の10倍以上緩く、1200ナノグラムだ…
つくば市中心部のペデを歩くと、そこかしこでキンモクセイの香りがします。自宅のキンモクセイも5~7分咲きといったところです。私は4歳から8歳まで大阪市内に住んでいて、キンモクセイの香りをほとんど知らずにいました。自宅にもキンモクセイがあったので…
3月の水環境学会での口頭発表や環境ホルモン学会ニュースレターへの寄稿では、ネオニコのジノテフランが800ng/L以上検出された水道水を「秋田県X市」と表現しました。全国には他にもこれくらい出ている水道はあるので、ここだけが高いと住民が過度に心配して…
「Neonicotinoid contamination of global surface waters and associated risk to aquatic invertebrates: A review」とのタイトルの2015年に公表された論文は、動物によってネオニコチノイド系殺虫剤(以下、ネオニコ)の影響がかなり異なることや、アメリ…
EUが「意図的に添加された」マイクロプラスチックを制限する措置を採択したそうです。下記を読む限り、柔軟剤 に加えられている香料入りマイクロカプセルも含まれているようです。日本政府はマイクロカプセル問題を「海ゴミ」にとどめ、「非意図的」なものし…
「つり人」11月号が発売されています。 つり人2023年11月号 連載「『ネオニコチノイド』を使わない水辺に優しい農業の可能性を探る」の第2回は、「埼玉県さいたま市・NPO『水のフォルム』循環型伝統農法のケースより」。冒頭で、なぜ水をテーマにしたNPO法…
宍道湖ではネオニコチノイド使用によって動物プランクトンやオオユスリカなどの節足動物が激減し、これらを餌にしていたワカサギやウナギの漁獲量が激減したと、2019年にScience誌で発表しました。これに対して島根県は「ワカサギが減ったのは夏季の高水温が…
昨夜はジャニー喜多川前社長をめぐる性加害問題の「外部専門家による再発防止特別チーム」記者会見ニュースが、かなりのメディアで取り上げられていました。 「ジャニー氏の性加害の問題については、過去にいくつかの週刊誌が取り上げてきたものの、2023年3…
香害の遠因を解明しようと、かなり以前からGC/MS/MSを使っての香料分析法に携わってきました。一度は「これで行ける!」と思える段階まで行ったのですが、念のためそのメソッドと同じ方法で他の人に柔軟剤を測ってもらったら、異なる値になりました。なぜ?…
夏の深夜ベランダに出ると、虫達の声が聞こえた。今はほとんど聞こえない。この国でまたもや、何かが起こっている。私の庭からさえも、虫の声がない。アゲハの幼虫もウリハムシも来ず、スズメがやたら野菜や果物を突いている今年。スズメさえ虫を見つけられ…
今年の気象は明らかにおかしく、キンカンがまた狂い咲きしました。前回、狂い咲きした実がいま熟しつつあります(下の写真の黄色く見えるところ)。 暑かったり寒かったり、かなりの豪雨になったりで人間も大変ですが、植物たちも悲鳴をあげていることでしょ…
昨日、犬と散歩していたら、水田とつながっていない水路でアメリカザリガニを発見しました! 1mおきに写真のように水面に登っていました。このところの暑さで水路でさえ酸欠になって、水面まで顔をだしたのかもしれません。 一方で、2日前に散歩した水田に面…
環境省の某会議で「ジノテフランというネオニコチノイドが8月に水田に集中的に散布されることで河川水から高濃度で検出されており、おそらくそれが原因でウグイやオイカワなどの下流の魚が全国で激減している。」と発言したところ、「環境省では農薬残留対策…
日本学術会議が昨日(6月23日)付で「外来害虫・病原体・雑草による作物生産被害の現状と対策」という報告書を公開しました。 What's new|日本学術会議 20ページでネオニコチノイドに言及しています。「化学農薬の中でもとりわけ良いイメージをもたれて…
イタチの研究をされている方から、関西の某所ではイミダクロプリドが使用された1993年にニホンイタチの餌場からアメリカザリガニが消え、それとともにニホンイタチも消えたとの情報が入りました。つくば周辺では子供達とザリガニ釣りをした記憶があるので、2…
杉並病、寝屋川病と呼ばれる健康被害について、「原因は廃プラスチックの圧縮」との主張が散見されます。杉並病の原因物質を出した施設は「廃プラスチック圧縮処理施設」ではなく「不燃ゴミ圧縮中継施設」です。使い残しの農薬類、スプレー缶、蛍光灯、乾電…
環境ホルモン学会ニュースレター(http://jsedr.org/NL/NL25-4.pdf)で私が公表した秋田県の水道水中ネオニコ濃度報告を読んだ方から、メールをいただきました(転送許可を得ました)。8月にカメムシ対策で大量のジノテフランがまかれるようになったのは農水省…
厚労省が管轄してきた水道行政が、環境省と国交省に分割して移管される方向で動いているようです。 厚労省の水道行政に満足していたわけではありませんが、これまでやってこなかった環境省に、ヒトが直接飲む水の水質基準管理をまともにできるのか?医薬品も…
報告書というものは、その分野の専門家の査読を得ていない情報です。私自身あまたの報告書を執筆しましたが、その全てが査読付き論文になったわけではありません。査読されて初めて気づいた思い込みもありました。分かりにくい論理構成を指摘されたこともあ…
Perplexity AIに「List the international peer-reviewed papers on Minamata disease」と水俣病に関する国際誌論文があるか尋ねると、文献リストを提示してくれます。「杉並病」でググると一部「原因はプラスチック」と出ますが、原因とモクされる施設はプ…
日本の農家の多くが農協を通じて農薬を購入します。一般にはあまり知られてないかもですが、虫が出たからまく、雑草が生えたからまくではなく、前年に農協から栽培暦が届き、それに合わせて農地面積あたりいつ、どれくらいまくかに従って購入するのです。そ…
週刊㓛曜日2023年4月7日号の特集は香害。 前々から関心があって情報はフォローしてきたのですが、初めて知ることもあって驚きました。ひとつは、EUで香料の規制が進んだ時期に、日本で香料入り柔軟剤市場が拡大した点(13~14ページ)。某除草剤を彷彿とさせ…
今夜のNHKクローズアップ現代は「追跡“PFAS汚染”暮らしに迫る化学物質」でした。予告で「番組独自の取材で作成した全国汚染マップ」が紹介されるとあったので見てみました。どっかの基地周辺が最大濃度だろうと思っていたら、出身である大阪府寝屋川市の、淀…