牛に与える稲藁

みんなの牛乳勉強会」(消費者、酪農家、東毛酪農の会)の8月号の報告に、稲藁に関する解説がありました。高濃度の放射性物質に汚染された稲藁を食べた牛の牛肉が市場に出荷された問題を受けて、乳牛にも稲藁を与えているのかと会員から問い合わせがあったそうです。
結論として、「みんなの牛乳」の牛にも稲藁が与えられていました。それは酪農家の自家製稲藁で、栄養価を落とさないよう、稲刈り後なるべく早く納屋にいれ、風雨にさらさないように保管しているそうです。調査の結果、これらの稲藁は放射線に汚染されていませんでした。
乳牛と肉牛とでは、稲藁の使い方が全く異なるそうです。
肉色がピンク色になるように、そして脂肪の色が白くなるようにするには、栄養価が殆ど失われた稲藁を与えるとよいとされているそうです。そこで出荷が近づくと、風雨に晒して少しでも栄養価が失われた稲藁を与えます。
一昨年までは東南アジアや中国からそういった稲藁を輸入していたところ、宮崎県の口蹄疫でそれらの国々からの輸入が禁止されたので、国産稲藁の生産・販売が盛んになったところだったそうです。
国産牛といえど実は輸入した餌に支えられているなど、その場の自然資源だけで商業ベースで生産するのは、今の日本では極めて難しいのだと感じました。