社長だと思って学会を考える

陸水学会の今日(12日)の総会で、「学生会員に非選挙権を与えない」という条項の追加が提案されてました。
たとえば手塚治虫の「きりひと賛歌」なんかで医師会の長になるための駆け引き、根回しシーンが延々でてきますけど、陸水学会では会長に誰がなるかなんて全然関心がない人ばかりみたいです。だから下手すると学生さんが会長になってしまうかもしれない?
では現会員数1000名強、ご多分にもれず若い世代の入会が減少しているこの学会の会員が、何に情熱を傾けているかと言えば、まちがいなく次世代が育つことです。
琵琶湖研のKさんや、東北大のUさんが、American Society of Limnology and Oceanographyの海外大会の日本招致を決意したのは、若い世代が世界への架け橋を作るきっかけにしたいと思ったからです。いつのまにか私がその招致委員会の委員長になっていても「しゃ〜ないかあ」とか思っていられるのは、だからこそです。
懇親会では、修論書けないかもというピンチにいるI君を、N先生やH先生にご紹介しました。ある程度お話したら、あとはI君が私に気兼ねなく思っていることを議論できるように席を外しました。両先生ともその意図を分かっていただけて、遠くから時々眺めてましたが、I君と1対1でかなりの時間を議論してくださってました(この場を借りてお礼申し上げます)。
修士を出たら就職を考えている学生さんはさておき、これからこの分野で研究・教育をしたいと考えている学生さんは、だから是非、会員になってください。なぜ会員になってほしいか、それは、ご自身が学会長になったときにどう思うかをチラっと考えてください。
M1の学生さんと就職活動について話題になったとき、「どこかで、自分が社長ならなにを考える、あなたに何を望む?」といったことを考えてごらん、という趣旨のことを話しました。それはたぶん、学会というものをどう考えるかにもつながると思います。