超貧栄養なバイカル湖でなぜ緑藻が卓越する?

下の写真はバイカル湖のごく普通の様子です。波打ち際は礫か砂。浅いところも礫か砂で、ちょっと深くなると白い砂が広がります。波打ち際は緑藻がたまって緑色になっています。ここは砂浜なのでこんな感じですが、礫浜の場合は礫に緑藻がびっしりついています。Ulothrix zonataとかDraparnaldioides sp.みたいなバイカル固有種とかだけならまだしも、まるで宍道湖のようにChladophora類もびっしりついていて、「富栄養化すると緑藻類が増える」というイメージと矛盾してしまいました。

さらに理解に苦しむのは、下の写真で沖合に映っている深い所の砂底にも沈水植物がいないこと。いくら波が高いといっても深い所にはいてもいいと思うのですが、全くいないのです。代わりに、もし岩が転がっていたら、共生藻類を有する海綿がびっしりついています。

あまりに貧栄養で、間隙水に栄養がないのでしょうか。では底生緑藻や共生海綿はどこから栄養塩を得ているのでしょうか。T先生が非常に興味深い仮説を持っていて、その検討もできればいいなと思います。