高校で決めた進路がスペースシャトル

今日は息子が通う私立中高一貫教育校の、つくば西地区父母会でした。過去10年以上、後遺症のおかげで仕事を人並みにこなすのがやっとという状態だったので、私はこれまで役員は全くしてきませんでした。手術を経てようやく体調も最悪を脱したし、下の子も6年生になったし、子育てをしている以上一度はPTA関係もしないとと思って、今年は地区父母会の役員を引き受けました。
正午過ぎから準備、始めに新入生の父母歓迎会、それから総会、先生方を囲んでの懇親会と続いたのですが、総会の時に「議長を頼まれたので」と来られた方が、学生の時に出入りしていた東大化学工学の先輩(男性)で、奇遇に驚いた後は近況話で盛り上がりました。もう一人、参加予定で急遽欠席になった方(男性)も、もしかしたら10年くらいまえに、一緒にサンゴ礁の仕事をしていた方ではないか。。。と思われるお名前でした。
園都市内は、この学校に限らずPTA活動が盛んで、お父さん方も結構参加されます(というより、お母さん方はお父さんパワーをすっかりアテにしています)。この雰囲気は、高校で留学していたアメリカのベドフォードに似ています。私が通っていた公立高校はハーバードやMITへの進学者が公立では一番多いと言われていたそうですが、親は学校行事には夫婦で必ずのように参加し、日本で言うところのPTA総会も年に何度かあって、これもほぼ全ての夫婦が来る感じでした。私のホストファザーはMITの教授でしたが、親がMITやハーバードの教授という生徒が他にもたくさんいました。その教授達ももちろん、顔は知りませんでしたが、父母会や、学校主催のミュージカルや、アメフトの試合には来ていたのでしょう。
息子の通う学校は、つくばにあるということに加え、「人類ならびに国家に貢献しうる『世界的日本人』を育成すべく知・徳・体の調和した人格の形成を図り特に創造的思考力に富む人材をつくる。」という建学の理念に賛同して子弟を送っているという面も、父母会活動をさらに活発なものにしているのかもしれません。
総会の冒頭で、PTA会長(男性)からこの建学の理念を引用した挨拶があり、そうやって世界どころか明日は宇宙に卒業生が羽ばたきますと紹介。そう、ここは星出彰彦宇宙飛行士の母校なんです(おかげで取材の車に駐車場を占拠され、空きスペース見つけるのが大変でした)。懇親会のときもこのことが話題になり「星出さんって、個人研究が既にスペースシャトルだったんですって」「すごいわねぇ、高校の時に考えた進路通りに進んだのねぇ」
個人研究というのは高1の3学期から高2の12月までかけて個々に取り組む研究で、「17歳の卒論」とも言われています。これは自分の進路を深く考えさせるという意味もある、この学校独自の教育カリキュラムです。いきなり進路を考えるといっても無理なので、調度今週、親と将来の職業について話し合って文章にまとめるという宿題があり、夏休みは親が子供について1600字の作文にまとめるという親への宿題があり(それを子供を通じて担任に提出。子供が親の意向を把握することが狙い)、9月に様々な職種の方を招いて仕事への思いを語ってもらう行事があり、、、という感じで進路指導が続きます。「どの大学に」が先にあるのではなく「社会で何をしたいのか」が先。でも、これまたアメリカの私が留学した先の地域では、どの家庭でも当たり前のように親と子供がしていた会話でした。