陸水学に関心を持った学生さんのために、陸水学の研究を展開している研究室をご紹介するこの企画、第3回は静岡県立大学環境物質科学専攻の谷研究室です。
谷幸則先生とは、バイカル湖での会議でお知り合いになりました。植物色素起源のバイオマーカーを使って数万年の環境変動を解析されています。かと思えば、私の長年のフィールドである島根県の宍道湖からピコプランクトンのバイオマーカーを検出され、この湖沼が場合によっては佐鳴湖のように一次生産が二次生産につながらなくなる危険があることを指摘いただきました。この研究は今後も続けていただけるそうです。
以下は谷先生ご自身に書いていただいた研究室紹介と入試情報です(上記HPはまだ建築中ということで)。
驚くほどフットワークの軽い方です。学生さんが開拓してくれるフィールドを一緒に駆け回る姿が見えるようです。
研究テーマ
1. 陸水・汽水の微生物相(特に植物プランクトン相)の規定する要因の解析・生態系への影響評価
2. レアメタル生物回収法の開発に向けた微生物とレアメタルの相互作用・レアメタル集積菌の検索(このネタはこのブログでもご紹介しました)
3. 堆積物コア中の植物プランクトン・光合成硫黄細菌のバイオマーカーを指標とした自然・人為的環境変動の解析と修復目標への提言 −CODワースト1の静岡県・佐鳴湖からバイカル湖まで−
研究目標
「微生物は、自然環境中の物質動態に大きな影響を与えています。また、豊かな生態系・生物多様性は、基盤となる正常な微生物相が存在することが重要な鍵となります。本研究室では、遺伝子解析的なアプローチに留まらず、化学(必須脂肪酸分析やカロテノイド・有毒物質など)・物理(光強度やスペクトル)の解析を通じ、水圏環境における微生物の役割を大きな視点で捉え、環境保全のあり方、豊かな生態系維持に向けた新しい考えを提言していくことを目標としています。また、持続可能な産業の発展のために、資源涸渇が著しいレアメタルに焦点を当て、微生物によるエネルギーコストの低いレアメタル回収技術を開発するための基礎研究を行っています。」
希望する学生
「とにかく元気な学生を希望しています。フィールドで駆け回るもよし、研究室でこつこつやるもよし、とにかく自然が好きで、これからの環境を少しでも良くしていこうと考えている人を希望します。大学での学部等は問いません。」
私のメール taniy@u-shizuoka-ken.ac.jp(@を半角に変えてください)
電話番号 054−264-5797
お気軽にお問い合わせください。
○6月7日に研究室公開が行われます。
http://kankyo.u-shizuoka-ken.ac.jp/
○入試情報
大学院生活健康科学研究科・環境物質科学専攻平成21年度 入学者選抜試験について
博士前期(修士)課程・自己推薦入学学生募集 (面接のみで、筆記試験免除)
・出願期間:平成20年 6月20日(金) 〜 6月26日(木)
・試験日:平成20年 7月 7日(月)
・合格発表:平成20年 7月15日(火)
博士前期(修士)課程・一次募集
・出願期間:平成20年 7月25日(金) 〜 7月31日(木)
・試験日:平成20年 9月 3日(水)
・合格発表:平成19年 9月10日(水)
博士前期(修士)課程・二次募集
・出願期間:平成21年 1月30日(金) 〜 2月 5日(木)
・試験日:平成21年 2月28日(土)
・合格発表:平成21年 3月 6日(金)
博士後期課程・一次募集
・出願期間:平成20年 8月15日(金) 〜 8月21日(木)
・試験日:平成20年 9月27日(土)
・合格発表:平成20年10月 3日(金)
博士後期課程・二次募集
・出願期間:平成21年 1月30日(金) 〜 2月 5日(木)
・試験日:平成21年 2月28日(土)
・合格発表:平成21年 3月 6日(金)
※募集要項、資料送付等の詳細は大学院入試情報をご覧下さい。
※受験希望者は,事前に第1志望研究室の主任教員まで連絡して下さい。
各研究室の研究内容等は,研究室案内を参考にして下さい。
※ 本研究科には, 外国人留学生, 社会人の入学制度もあります。