昨年度卒業したU君の修論、7月1日付で受理されました。
タイトルは「アサザとヨシから溶出する有機炭素量とその分画」
欧米で「湖沼では水草帯によって水質が保たれる」としているのは透明度が上がるという意味からであって、日本の水質基準であるCOD(有機物の指標)からすれば、水草はむしろ供給源になるというのが常識です。
にも関わらず日本では中学校の理科の教科書で「ヨシやアサザを植えると茎や根に付着した微生物が湖水中の有機物を分解し、水を浄化していく」なんてデタラメを教えています(植えなくても微生物は湖水にも堆積物にもいます)。
アサザやヨシを植えても有機物減少という意味では水質浄化にはならないという、欧米では当たり前とされていることを論文にしたので、和文誌に投稿しました。日本の非常識に一石を投じた意味は大きいと思います。
U君と同期の修論、K君は自力で書くと言っているのでお任せ。N君のは共同研究者のI先生にお任せ。残るはM君のですが、たまっている過去の修論に目処をつけてからということで、しばらくお待ち下さい(ラボノートを見ても分からない部分は執筆中に質問しますから、覚えていて下さいね)。