Environmental Microbiologyはもしかしたらもうすぐブレークスルーを見る?

先日届いたLimnology and Oceanography vol.53(4)は500ページ以上もあって、立ち読みには少し重い。でも3分の2の論文は、これは読まなきゃと思わせるタイトルで、さて困った。。。
たとえば冒頭の論文が、chemolithotrophによるdark carbon fixation速度は日中の方が夜間よりはるかに高い、なんて読み過ごせない内容です。
今日(7日)は、アナモックスの研究でお世話になっているS先生・Y先生と、いつのまにやら2時間半も議論をしていたのですが、その時にも「バクテリアと言えども、一緒にautotroph と生きていて、その影響受けないハズないですよね」と昼夜の重要性を確認したばかり。みんなが考え始めるときって、突然ブレイクスルーが出たりしますよね。
うちの学生さんは、どうも水域のmicrobiologyがあまり強くないのですが、上記みたくこれから面白いことが出てくるに違いない分野なので、基礎は是非知っていてほしい。それで適当なイントロ論文ないか探していて、ふと思い出したのが下記です。スペインで開催されたASLOでお会いした後、Paerlさんが送って下さった論文。当時もなかなかスリリングだ思いましたが、今読み返しても、上記の議論を既に見通していたかな?と思われる内容があったりします。彼がこれを私に送ってくれたのは、先カンブリアの大気環境と現世ストロマトライトの代謝について、私がふっかけた議論を彼も同様に考えていたからですが(私はこのネタ、老後の趣味にしようと温めています。たぶん20年後もまだ誰も、私が考えていることを思いついていないに違いない。。。^^)。
さて、ただでさえ過密状態の陸水ゼミで、いつどうやってこれを紹介するか。いきなりメールで読みなさい、て送りつけるとか?

Paerl and Steppe (2003) Scaling up: the next challenge in environmental microbiology. Environmental Microbiology, 5, 1025-1038.