An accumulation of facts is no more a science

Science is built up of facts as a house is built of stones, but an accumulation of facts is no more a science than the heap of stones is a house.

私の英語版HPトップページ冒頭の言葉です。

いつだったか「誰の言葉なの?」と尋ねられましたが、むか〜しに何かで読んでタイプしたときに著者を書かなかったので、今でも誰の言葉なのか分かりません。

「むか〜し」というのは、学位論文の研究をしていた頃です。私の学位論文研究では、宍道湖の鳥ヶ崎にあった突堤だけで、全てのデータを取りました。D5の秋は、その鳥ヶ崎の空中写真を机に貼って、ここから見える世界をどう構成するか考える毎日でした。そんな時に出会ったのが、この言葉でした。

M2のT君は、結局のところ、一番証明したかったことが自分の測定結果では言えないことになりそうです。でも、だから意味がないということは全然ありません。

サイエンスとは、仮説を立て、それを証明するための実験・観測プランを立て、実行し、データがそれを証明しているか検討する作業だと思います。証明していなかったら、実験・観測プランに不備があったか、そもそもの仮説が間違っていたかです。どちらであるかを議論すれば、次のステップに進めます。

修論ではそこで終わりになりますが、印刷公表すれば人類共有の知となり、次に続く人がでてくるかもしれません。博士に進学するならば、検討した結果を踏まえて、自身でまた次のサイクルを始めることができます。

無意味なことは何もないのが、とりわけサイエンスだから、私はサイエンスがとても好きです。