投稿論文の下書き(2)

このところ論文指導が毎日続いていて、学生のみなさんが陥りやすいミスはここかな、というのが見えてきました。12月4日に続いて、投稿論文の下書きを書く際に注意してほしい点を書きます。

3.文章はメモの羅列ではなく、前後のつながりを意識して書く。また言葉遣いが科学論文として適切かどうか注意する(〜ないわけではない、〜であることがわかる、などはNG)。

4.図表は、最初に言及する文章の近くに配置する。

5.「結果」の節は原則過去形の日本語にする(英語は当然過去形)。

6.書き終わったら一晩置いて、自分が読者だったら読みやすいか、という観点から全体を読み返してみる。

最後に、

7.10本投稿するまでは自分は初心者だと思って、ともかく投稿することに全力を注ぐ

2007年4月16日記事で紹介した「「理系のための研究生活ガイド」で、著者の坪田先生は「何事も10回はやってみないと、それが自分にあっているのかどうかはわからない。論文を書くのもそうだ。」と書かれています。
私はどうだったか見てみると、D論を書くまでに英文誌の筆頭・実質筆頭あわせて3本、和文誌筆頭1本、その他和文筆頭・実質筆頭3本と和文の共著が2本ありました。ですから、D論は10度目の正直でした。そしてD論書いてからは、国際誌にせよ国内誌にせよ、投稿論文書くのにそれほど苦労を感じなくなりました。
逆に言えば、修論が初めて書く長い文章になるようでは、たいしたできにはならないと覚悟しておいた方がよいでしょう。