N・C安定同位体フィンガープリント法の40年誌

和田英太郎先生による表記の講演会が以下の要領で開かれます。
「流域環境評価と安定同位体」という分厚い本がありますが、この「序論」だけ和田先生が書かれていて、わずか9ページながら安定同位体で何ができるかを明快に説かれています。この9ページだけ読んで行かれると理解が深まると思います。

開催日時:3月5日(木) 13:00〜14:30
開催場所:横浜国立大学環境情報研究院1号棟5階 515合同セミナー室
(交通案内 学内地図は
http://risk.kan.ynu.ac.jp/matsuda/2009/090305YNU.html

〔講演要旨〕地球生物圏は多様なサブシステム(各種生態系)から成り,降水量−気温ダイアグラムの上に類別できる。例えば熱帯林,寒帯林,砂漠,黒潮域,親潮域等である。個々の生態システムは固有のC・N循環システムを持っている。報告者は色々な生態系について、窒素・炭素循環系の構造や動態の特徴を高感度の安定同位体精密測定法を駆使して研究を進めてきた。
1)30年以上前から自然界における窒素・炭素の分布に 関する研究を行ない、同位体生態学・生物地球化学の構築と統合に関する経験則を見出した。
特に食物連鎖における15N濃縮現象を発見し、下記の一般式から
δ15N(動物)=3.3(Trophic Level ― 1)+ δ15N(植物)
δ13C(動物)=1.n(Trophic Level ― 1)+ δ15N(植物)
δ15N−δ13C関係において、安定同位体食物網モデルを提案した。
2)これによって、食物連鎖を中心とする群集生態学の研究が飛躍的に進み、それまで不明瞭であった生物群集の構造と機能が物質循環との関連の面から解析が可能とった。すなわち、生態学と生物地球化学を統合して、地球環の変動変化に対する群集生態系の応答を研究することに先駆的な道を開いた。   
このセミナーでは、以下の項目について取り上げたい。
1)安定同位体とは?
2)何処で作られたか
3)生物圏に於ける窒素・炭素安定同位体比の分布則:植物の同位体比、動
物の同位体比、セレンゲーバイカル湖水系の同位体の分布と構造
4)生体内同位体分布など?

◎公開講演会終了後、下記の要領で懇親会を開催いたします。
開始日時:3月5日(木) 午後6時30分から
開催場所:横浜国立大学内、レストラン『きゃら亭』
会費:先生4500円 、 学生3000円
申込期限:2月16日(月)
申込先:横浜国立大学グローバルCOE事務室(生態リスク) メールアドレス:er-coe3@ynu.ac.jp

連絡先:240−8501 横浜市保土ヶ谷区常盤台79−7 
横浜国立大学環境情報研究院 グローバルCOE(生態リスク)(担当:立川賢
一)
電話/FAX:045−339−4497、 メール:er-coe3@ynu.ac.jp