スギ花粉の季節の入試は不公平では?

3月2日記事でご紹介した化学物質過敏症患者の方からメールをいただきました。その中で、高3で今年が受験のご長男は、やりたい勉強・受験以前に、建物に入ることすらできない大学が大半。模試でも環境が悪い場所では偏差値が20近く下がる、と書かれていました。
化学物質過敏症はおろか、今や日本人の3割が花粉症と言われているのに、大学受験ではその弊害が全く考慮されていないようです。二次試験の日程は、大部分が杉花粉の季節に当たります。薬を飲めば集中力が低下し、飲まなければ目薬やらティッシュやらのお世話になりっぱなし。どう考えても花粉症の受験生は不利なのに、配慮しているという話はついぞ聞きません。
実は私の息子は花粉症で、この時期の高校での期末試験はとても大変そうです。「ホント不利だよ。明らかに集中できないもん。前にネットの記事で、どっかの国では、花粉症患者の大学受験生には一律5点加えるという話を見た気がする。日本もそうすべきだよ。」
年間2万人が負傷している交通事故さえ、24時間以内死亡者が1万人を切ったことだけが強調され、負傷などちょっとした(?)個人の不運とみなされがちの日本。花粉症という病気も個人責任とされ(杉をこんなに植えた責任は?もし一部言われているように排気ガスも遠因だったら?)、現実に不利益を被っている受験生がおそらく3分の1いて、人生で結構大きな意味を持つ受験なのに、何ら対策を考えない。それで公平な入試なのかと、首をひねってしまいます。
交通事故とか化学物質過敏症とか、被害の受け方はそれぞれでも、被害者が放置される理由は共通している気がします。そのあたりから、深刻な被害を受けている方々の救済への道が開けないかと、漠然と思いました。