3密が危険なのはコロナに始まったわけではない

化学物質過敏症の知人に
「最近はコロナの話題ばかりで、まるでそれ以外の問題はなくなったかのようですね。」
とメールしたら、
「今はほとんどの人が香りが長続きする柔軟剤を使っているので、対策はコロナと同じです。人を避けるのが一番です。北里研究所病院の環境医学外来の診察でも、避けるしかないと言われました。」
とのお返事をいただきました。
外出したら、いつなんどき健康を害するものを吸い込むかわからない。自分を守るには、外出を極力控えるしかない。そんな生活を化学物質過敏症患者さん達は、コロナ以前から何年も強いられているのです。それでなくても体調が悪いのに、このような生活を続けていたら精神的に不安定になっても仕方ないのに、本人の人間性の問題にされることが大部分です。
「コロナ疲れ」「コロナストレス」「コロナうつ」などの言葉がネットに踊り、対策やら「みんなで乗り切ろう」とのエールが寄せられたりとかしてますけど、化学物質過敏症患者さん達はきっと、複雑な気持ちでいると思います。コロナはいつかは終わるけど、化学物質過敏症患者さん達には終わりが見えません。少数派なので、「みんなで乗り切ろう」どころか、問題人間扱いされます。
人間の想像力とは、本当に貧弱なものだと思います。
今、多くの人が目に見えないウイルスを恐れて生活しています。香害を始めとする化学物質過敏症患者さん達はずっとこんな気持ちでいることを認識し、コロナ後も思いやりを保っていただければと思います。