プラスチックリサイクルによる健康被害

このブログがきっかけで、「京都カナリヤ会」の情報を送っていただいています。
誰もが、見えない蓄積性の有害物質に曝されていることの危機と予防を呼びかけ、被害者への支援と、私達の生活環境を守る活動を目指す市民の会です。化学物質による健康被害は全国で生じていることから、京都以外の話題も紹介されています。
2010年6月の会報では、4月に行われた寝屋川廃プラ裁判第10回公判での柳沢先生(東大新領域)の証言が紹介されていました。裁判の傍聴は100 名を超え、10 名余の方が法廷に入れなかったそうで関心の高さがうかがえます。

柳沢教授は、「なぜ、寝屋川病が起きたのか」について、
1. 汚染空気が淀みやすい温度逆転が頻繁に起きる地形の地域である。
2. 温度逆転層の中に有害物質を排出する廃プラ施設が立地し操業している。
3. その近くに多くの住民が住んでいる。
と説明され、
水俣病イタイイタイ病など、公害は悪条件が重なったところで起きている。寝屋川は、不幸にも三つの悪条件がそろった。この3 点セットをすべて満たしているほかの工場というものは恐らくないでしょう」と証言されたそうです。
私はその寝屋川で小学校から高校までを過ごしています。一応「都市」であるつくばと比べても、寝屋川は住宅が密集しています。緑地の少なさ、道路の細さなど、比べものになりません。なんで寝屋川のあんなところに、こんな施設ができたのか、本当に不思議です。
そして柳沢先生は、寝屋川病患者をこれ以上増やさないために
1. 人がいなければ病人は出ません。この地域の人々をすべて強制移住させる。
2. 温度逆転層が頻繁に形成されないように地形をフラットに改変する。大地を削っていく。
3. 温度逆転層の起こる地形内で有害物質を排出する工場の操業を止める。
の対策が考えられるなかで、社会的コストが安く、患者を増やさない、社会正義に合致する対策は操業を止めることだとしています。

この工場ができたのは、プラスチックのリサイクルの為です。「リサイクル」というと環境によいとのイメージがありますが、それによって人の健康が脅かされている可能性が高いという現実、そしてこれほど「環境」「環境」と言われているのに、化学物質による環境汚染については、人口密集地にこういう施設が配慮なく建てられ、それと同時に健康を害した人が多数発生しても「気のせい」とされ続ける現実に、もっと目を向けるべきだと思います。