先進国の技術が優れているとは限らない

2010年2月27日にチリで起こったマグニチュード8.8の大地震。その被害調査報告が土木学会誌95巻6号に掲載されていました。
この地震では各地で橋梁に被害がでたのですが、昔作られたものより最近作られた橋に被害が集中したそうです。その原因として、新しい橋では桁間を横方向につなぐ横桁が設けられていない点で、これは建設の容易さとコスト縮減をねらったものなんだそうです。
もともとチリでは横桁を設ける構造が主流だったそうです。しかし道路建設・維持の民間委託が進む中で、耐震対策の経験が少ないスペインの技術の影響を受けて単純化された構造が採用されるようになり、今回の大被害につながったとのことでした。
水とどうつきあっていくかは、地震同様、その国固有の事情を考慮して長期展望を立てるべき事項です。他山の石とすべき報告と思いました。