ビジョンゼロ

陸水研の学生さん達はいろいろ活発で、調査以外にもクルマを使って遠方に移動することがままあります。
昨年ひとり、移動途中で事故にあい、乗っていた車が大破しました。今年もまた昨日、学生がひとり自損事故を起こしました。ふたりともケガもなかったのが幸いでしたが、心配は尽きません。
写真は2004年につくば市で交通事故関係のシンポジウムを主催したときに作ったポスターです。
左側のグラフにあるように、交通事故はクルマの数に対して指数関数的に増えていて、その相関係数はほぼ1です。あたかも気体分子が衝突するような、物理的に起こっている感じです。

このような確率で事故が起こる製品は、製造物責任法で責任を問われるべきだと私自身が追突事故にあった1997年からずっと考えています。ガス湯沸かし器など、使用法の間違いで数人が亡くなったのを受けて、徹底的に回収されています。なぜクルマについては、事故が一定確率で起こると分かっていながら事故が起こらない努力を製造側がしないことが、世界的に許されているのか。
その中でスウェーデンでは、道路交通事故による死亡者・重傷者をゼロにするという長期目標を掲げ(Vision Zero)、この目標に一定の期間で着実に到達できる施策を展開しています。日本こそ、本気になって技術を結集すれば、達成できることだと思います。