よそ見運転をあおる(?)CM

最近テレビのコマーシャルで、かわいい女の子に見とれてよそ見運転をし、あわや前方の車に衝突する直前で自動停止する映像が頻繁に流れていて、大変不愉快です。
自動停止機能を宣伝したいのは分かりますが、よそ見運転など言語道断です。法律に則ってちゃんと運転していても避けられない状況、たとえば前方の車が急停車するとか、横から自転車が突っ込んできたとか、そんなときに事故を防ぎますよ、というのが本来ではないでしょうか。
私が37歳の時に起こった交通事故は、相手側が前方の確認を怠って、一時停止せず交差点に突っ込んできたものでした。そのために英語が話せなくなる、3行前の文章さえ記憶に残らない、立っていられないなど、研究者として生きていく上で深刻な事態になりました。脳脊髄液減少症だと診断されたとき、「70歳並に脳が縮んでいます」と言われました。働き盛りであるはずだった30代、40代を、私は70歳並の脳で頑張るしかありませんでした。死亡する、大きな外傷を受けるなど一目で分かる被害だけでなく、見た目には分からない症状であっても、人身事故は被害者の人生を大きく狂わせます。
「よそ見運転をしていても大丈夫」みたいな広告を平気で作る広告会社、それを採用する車製造メーカー。車は凶器になり得ることを我が身に起こるまでは理解できないのかと、やりきれなくなります。