多摩川80年の変動

江戸時代以来、昭島、立川両市域の水田をうるおしてきた九ヶ村用水取水口跡を示す立て札です。今のこる樋管は1911年に築造されたのですが、昭和のはじめに村山・山口貯水池の完成で水量が減って取水が困難になったので、1933年に別の用水樋を作ったとあります。

下の写真のガードレールがあるあたりが堤防で、この樋管がある高さまで、かつての多摩川の水位があったわけです。

今の多摩川はこの樋管から、はるかかなたを流れています。

1911年に樋管が築造されてから、別の所に新たに作られるまで、たった22年です。つまり、これほどの水位の低下が、長くても20年以内に生じたわけです(おそらく貯水池ができて数年でみるみる低下したのでしょう。。。)。
80年も前に、多摩川ではかくも激烈な環境改変が行われていたのですね。かつての河道は、すっかり樹林になっています。